こんにちは。「日本伝統工芸を知る」シリーズ、秋田県編です!
本州北部の産地にあり、日本海に面した秋田県は「能代・白神」「鹿角・大舘・北秋田」「秋田・男鹿」「田沢湖・角舘・大曲」「由利本荘・鳥海山」「横手・湯沢」の6つのエリアに分けられ、白神山地を始め温泉にも恵まれた自然豊かな地形が様々な伝統工芸を育んでいます。
美しい自然の中で生み出されてきた秋田の伝統工芸。その中でも前回の【秋田編その2】に引き続き
- 大舘曲げわっぱ・杉桶樽
- 白岩焼
- 銀線細工・木目金
- 樺細工
についてご紹介したいと思います。
銀線を紡ぐことで生み出される、繊細で美しい銀細工の世界をご堪能ください。
秋田銀線細工とは
秋田市の無形文化財にも指定されている伝統工芸品であり、0.2-0.3mmの純銀線2本をより合わせた「より線」でパーツを作り、銀枠にはめ込むことで造形する銀細工です。より線を伝統技法により様々な形に加工し、並べることで精緻な模様を作ることができ、ネックレスや指輪など様々なアクセサリーや美術品が制作されています。
歴史
江戸時代初期から秋田県では鉱山の開発が積極的に行われ、日本有数の鉱山を有するほどに鉱業が発展し、豊富な金銀が供出されました。秋田大学では鉱山学部があることで有名ですよね(名称は変わっているようです)。それに伴い、久保田城下では職人町が形成され、金工師が集まり、主に武家向けに刀装具や装身具などの金銀工芸が盛んになりました。
その後、明治時代になると武士階級における需要が途絶え、金工は廃れましたが、その一方でかんざしなどの装飾品の生産が盛んになりました。これによりオランダ経由で長崎から広まっていた銀板を土台にした「平戸細工」がさらに発展した緻密で大きな飾りつけなどが施された銀線細工が作られるようになりました。
昭和時代に入ると戦争により生産は一時中断されたものの、無形文化財に選択されるなどして、銀線細工は一つの工芸として確立していき、平成8年には県の伝統工芸品にも選定されるに至りました。
参考サイト:手しごと秋田, 日本伝統文化振興機構, Discover Japan
ぜひこちらの動画もご覧ください↓
繊細で美しい秋田銀線細工の作品たち
それでは職人さんたちが生み出す雪の結晶のように美しく、優しい輝きを放つ秋田銀繊細くの作品の数々の一部をご紹介させて頂きたいと思います!
銀つむぎ
伝統的な銀線細工の技法を用いながらも、日常遣いできるシンプルなモチーフにデザインされたアクセサリーを販売するブランド、「銀つむぎ」。女性らしさを美しく引き出してくれるシルバーの輝きと小ぶりで華奢な作りがとっても上品で可愛らしく、銀線細工をより身近に感じることができます。
四つ葉がモチーフになったシリーズ。幸せを呼んでくれそうです。
桜の花がモチーフのシリーズ。銀線細工らしいレース編みのような細工が美しい。
忘れな草がモチーフのシリーズ。小さな花がとっても可愛らしいです。
連なった円の中に緻密な銀線細工が施されています。和な雰囲気がとっても素敵です。
itonosaki
「itonosaki」は伝統工芸の職人さんが作るおしゃれなアイテムを取り扱われているショップです。今回ご紹介するのは銀線細工ジュエリー作家の「松原智仁」さんの素敵なアクセサリーです。銀にK18をコーティングすることでより表情豊かなジュエリーに仕上がっています。
ミモザをモーチーフにしたアイテム。とってもおしゃれ。シンプルなファッションに合わせたいですね。
クローバーがあしらわれたピアス。左右で葉の数が違うのも素敵。よく見ると精緻な模様が施されています。
小花とクローバーが組み合わされたリング。とっても可愛らしい。シルバーとゴールドの組み合わせがとってもおしゃれ。
クローバーで冠を作ったような形のブローチ。一枚一枚の葉っぱが異なる風合いで、豊かな表情を見せてくれます。素敵….!!
SILVER SMITH M
銀線細工を始めとして、シルバーアクセサリー製作に長年携わっている「SILVER SMITH M」。目を引く多種多様なアクササリーがオンリーワンな銀線細工を魅せてくれます。
しずく型の枠にお花のような繊細な銀線細工が施されています。日常遣いはもちろんのこと、ドレスアップの時にも似合うゴージャスさがあります。
一枚一枚の葉がまるでレースのように美しい緻密な銀線で造られたイヤリング。ため息の出る美しさです。
葉っぱが連なったようなリングの中に小さなお花を咲かせたネックレス。とっても可愛らしいですね。
クローバーがモチーフのネックレス。一枚だけ透けたような形になっているのが素敵。
竹谷本店
天保元年創業の「竹谷本店」では自社工房にて熟練の職人さんが丹精を込めて息を呑むような美しい銀製工芸品を生み出しています。
葉脈が美しい精緻な銀線によって表現されたようなブローチ。美しい….!
銀線でできた薔薇。銀世界に咲き誇る薔薇のよう。コサージュとして式典などにつけたりすれば一気に華やぎますね!
銀線細工の繊細さを表すようなランをモチーフに↓ブローチ。素敵です。
可愛らしいスズランが一輪咲いているネックレス。シンプルな服装で際立たせたいですね。
かりんが可憐にあしらわれたピアス。とっても可愛らしいです。
秋田銀線細工 房工房
銀線細工職人、佐藤房雄さんによるブランド「房工房」。伝統的なモチーフから、石を使ったロマンチックなジュエリーまで素敵な作品で溢れています。
緻密な銀線が自然の美しさを最大限引き出しています。
大輪の花。一枚一枚が気の遠くなるような作業を経て美しい花を咲かせています。
リング。型にはまっていない遊び心のあるデザインがとっても素敵。
使い込むごとにヨーロッパのアンティーク品のような風合いを出してくれそうですね。
夜空のような鮮やかなブルーがロマンチック。シルバーとブルーが相互に引き立てあっています。
乙女心をくすぐるペンダント。繊細な銀線の枠がとっても素敵。
息を呑む美しさ。魔法の世界に存在しそうなペンダント。とってもロマンチック。
こちらもまた猫ちゃんと三日月の組み合わせがとってもロマンチックな帯留め。背景の銀世界も目を奪われる繊細さ。
ブラックストーンがとってもおしゃれなリング。男性でもつけられそうです。模様のようにあしらわれた銀線細工が素敵。
終わりに
いかがだったでしょうか?
息を呑むような美しさを放つ作品に圧倒されるばかりでしたね。
光に透かしてみればその美しさをより感じることができそうです。
江戸時代から脈々と受け継がれてきた秋田銀線細工。
緻密な技巧によって生み出された美しい作品たち。
いつか実物を目にしてみたいと思います!
皆さんも、ぜひ。
次回の【秋田県編その4】もお楽しみに。
それではまた。
コメント
私の作品の指輪写真が無断でトップ画像に使用されてます。
許可申請はしてください。
さわ様
トップ画像の件、大変失礼致しました。
変更致しましたのでよろしくお願いいたします。