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あけび蔓かごバックの優美な世界:日本伝統工芸を知る【青森編その4】

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日本伝統文化

こんにちは。今回は「日本の伝統工芸を知る」シリーズ【青森編その4】です。

今回は前回の「こぎん刺し編」に引き続き

  • 津軽塗
  • 津軽びいどろ
  • こぎん刺し
  • あけび蔓細工

「あけび蔓細工」についてご紹介したいと思います!

伝統工芸が織りなす美しいあけび蔓細工の世界をお楽しみください。

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あけび蔓細工(つるざいく)

江戸時代末、岩木山麓の嶽温泉で、湯治客への土産品として付近の山々に自生するあけび蔓を採取して炭籠・手提げ籠などを作ったのが始まりとされており、さらに時代を遡ると、青森市の縄文時代の遺跡 三内丸山遺跡では、ヒノキ科の樹皮を素材として編んだ小さな袋(通称:縄文ポケット)が発掘されていることから、一万年以上前から植物素材を細工するという文化が存在していたと言われています。

青森の「あけび蔓細工」技術の歴史は、幕末期に会津の浪士が「岳温泉」に湯治中にその技術を伝えたという説があります。
明治時代に入るとあけび蔓細工は産業としてめざましく発展したそう。
明治後半から大正期には技術も進歩し、蔓細工の会社も4~5社あったそうで、蔓細工製品は海外(主にアメリカ)にも多く輸出されたそうです。大正5年ころには職人の数が520人ほどもいたと言われています。

あけび蔓のかごバック

様々なあけび蔓細工がありますが、今回はその中でも「かごバック」に焦点を当て、ご紹介したいと思います!

大事に使えば親子3代まで使い続けることができるというかごバッグは、使うほどに飴色の素晴らしい色艶を出します。あけびかごバックの主な作業工程は

  1. 秋に採れた蔓を一度干して選別する
  2. 干した蔓を水に浸け、蔓の節をとる
  3. 湿った状態の蔓を「底→胴(側面)→縁」の順番で編む
  4. 別に編んだ持ち手をつける
  5. 余分な端を切り、乾燥させ、仕上げる

といった5つの工程があります(写真はかごバックの型)。気の遠くなるような作業と、職人さんの長年の経験によって培われてきた技巧によって作り上げられているのですね。

また、編み方にも「綱代編み」「こだし編み」「ほら編み」「掛け編み」「素編み」など様々あり、編み込まれることによって生み出される模様によって、見せてくれる表情も全く異なります。

参考サイトはこちら↓

あけびかごバックを販売するお店

あけびかごバックを取り扱うお店やネットショップはデパートから雑貨屋さん、アンティークショップに至るまでたくさんあります。その中でも老舗、あるいは直売販売をされているお店を3つ挙げさせていただきます。

1. 宮本工芸

宮本工芸は創業1949年の老舗。蔓細工の職人がほとんどいなくなった現在でも、昔からの伝統を守りながら、機械に頼ることなく一つ一つ手作りすることにこだわっています。宮本工芸で使われる蔓細工の素材となる蔓は、岩木山、八甲田山麓に自生している山葡萄やあけびの蔓などの自然素材。素材に妥協することなく手提げバックやかご、花器など生活の中に密着した作品を丁寧に作り続けています。
また、東北ではあけびや山ぶどう皮細工は盛んに行われていますが、宮本工芸が作るかごの特徴はざる縁や持ち手になる部分の「巻手」で、その機密さは日本一と自信を持っているところです。
丈夫で繊細な作りは弘前産の特徴であり、弘前を代表する宮本工芸の大きな特徴でもあるわけです。

色々な編み組方が有り自然の材料で職人一人々が1つの篭を作っている為、1つとして同じ篭が無い、同じ木型を使って編み組んでも職人が違えば表情が違うオリジナルな篭になり、使い込むほどに価値が上がっていくとされています。

山葡萄バッグ・あけびかご・つる細工などの自然素材・手作り生活雑貨のセレクト通販ショップ「優」HPより

2. 松野屋

松野屋は1945年創業、現在は自然素材を中心とした生活道具をあつかう荒物問屋。荒物とは箒やちりとり、ざるなどの昔ながらの日用品のことです。衰退しかけていたそういった暮らしの道具の、あるがままの美しさを備えた“用の美”を伝えています。その中の一つとしてあけび蔓かごバックを販売しています。とても人気で予約会なども行われるほど。

松野屋 HP より

3. あけびの里(ブラウンポッケ)

手づくり工房 「あけびの里」は、青森県内でも珍しいあけびの手提げかご等を主商品とした「あけび細工専門店」。店舗のスタートは、籐細工の職人だった店主が 平成19年頃から素材をあけびの蔓に替えて開業したのが始まりだそうです。現在はこの道40年のベテラン職人さんを中心にあけびかごバック作りに取り組まれています。ブラウンポッケはあけびの里のネットショップです。直売店ならではの割引やオーダーメイド品などのサービスが受けやすいというメリットもあります。

あけびの里 HPより

美しいあけびかごバックの世界

それでは職人技が生み出す優美なあけびかごバックの世界をお楽しみくださいませ。

取っ手が輪っか状になっているのが可愛らしいです。シンプルな服装に映えますね。

お気に入りのて布で目隠し。輪っか同士の繋ぎが精巧な作りでとっても素敵。

コロンとしたフォルムが堪らぬ可愛さ。ドライフラワーがよく似合います。市場のちょっとした買い物に。

日常遣いにちょうど良さそうなサイズ感。いい色が出ています。

丈夫でありながら繊細な作りのグニ手が素敵です。

真ん中の部分が透かし編みになっており、その「抜け感」が取っ手おしゃれ。

口が広いから荷物を入れやすい構造になっています。大根などのお野菜も入れやすそう。独特のフォルムが可愛らしい。

ほら編みのグニ手が全体を包むようなデザインになっており、爽やかな印象。

縄代編みの網目が日に当たると、より美しくその模様を魅せてくれます。

角型こだし編み。向こうが透けて見えるような繊細さが夏にぴったりの爽やかさを演出。

収納力も抜群です。いつもより丁寧に物を入れたくなりますね。

ちょっと浅めのホラ編み。グニ手が長めなので持ちやすそうです。和装によく似合いそう。

小ぶりなサイズ。ちょっとしたお出かけにぴったり。

レース工房ECU(エキュウ)とのコラボレーション。

インナーポケットが付いているのが使いやすさをUP。

繊細なレース模様とかごバックの出会いはこれ以上ないくらい贅沢で、とっても素敵です。

ちょっと色味が飴色に近いあけびかごバックたち。

淡い色の浴衣によく映えます。

暗い色だと模様の映え方もまた違いますね。美しい…。

使いやすそうなサイズ感。リネンのワンピースに映えますね。お洒落…!!

上部に入った透かし編みがまるでレースのように美しい。

スカーフで自分だけのお洒落を楽しみたいです。

かごバックのお洒落な使い方

さて素敵すぎるあけびかごバックをご覧いただいたところで、お次はかごバックの活用法、お洒落な使用方法をまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

1. 風呂敷

詳しくはこちらの記事をご覧ください↓

防水加工の施された風呂敷を使えば、急な雨からバックを守ることができます。普段は内側を保護、細かいものが引っかからないようにするために風呂敷を装着しておくと便利です、

爽やかなブルーと北欧風のデザインが素敵。

かごバックのうち袋にぴったりですね。

マリメッコの生地でハンドメイド。可愛い…!!

内袋としてはもちろんのこと、普段はバックとしても使えます。

お好きな生地でハンドメイドしてバックのサイズに合ったお気に入りのあずま袋を作ってみるのもいいですね。こちらの動画を参考にしてみてください!↓

3. 巾着袋

かごバックによく似合うのが巾着袋。

シンプルなリネン素材。

かごバックとの相性抜群です。夏の装いにとってもよく合いそうです。

こっくりカラーでシックに。

ハンドメイドでオリジナルの巾着袋を作ってもいいですね。こちらの動画をぜひ参考にしてみてくださいね。↓

4. ハンドルカバー

最後にハンドルカバーです。ハンドルは一番触れるところなので、保護目的ではもちろんのこと、カバーしたお洒落することもできます。

革のハンドルカバー。革素材もかごと同じように経年変化するので風合いを楽しむことができます。洋装にもより合うようになりますね!

パステルカラーも素敵。風呂敷などの布の柄に合わせてコーディネートしたいですね。

スカーフを巻いてハンドルをカバーするのもお洒落です。

使う生地によって雰囲気がガラッと変わるのでオンリーワンなかごバックを楽しむことができます。

スカーフの巻き方はこちらを参考にしてみてください↓

終わりに

いかがだったでしょうか?

あけびかごバック、とっても素敵でしたよね。

使い捨てが主流になっている今の時代、貴重な高品質の蔓から一つ一つ職人さんの手によって生み出される美しい籠たち。

改めて日本の伝統工芸の素晴らしさを実感しました。

私もいつか憧れのかごバックを手にして、大切にしていきたいと思います。

今回ご紹介したのはほんの一部ですので、皆さんもぜひ見て、触れて、その素晴らしさを体感してみてくださいね。

四弾に渡ってお伝えしてきた「日本の伝統工芸を知る:青森編」。これにて終了です。もちろん青森には他にもたくさんの伝統工芸がありますので、また別の機会にお伝えできたらと思います。

それではまた。

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