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樺細工の魅力。日本の伝統工芸を知る【秋田県編その4】

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日本伝統文化

こんにちは。「日本伝統工芸を知る」シリーズ、秋田県編です!

本州北部の産地にあり、日本海に面した秋田県は「能代・白神」「鹿角・大舘・北秋田」「秋田・男鹿」「田沢湖・角舘・大曲」「由利本荘・鳥海山」「横手・湯沢」の6つのエリアに分けられ、白神山地を始め温泉にも恵まれた自然豊かな地形が様々な伝統工芸を育んでいます。

美しい自然の中で生み出されてきた秋田の伝統工芸。その中でも前回の【秋田県編その3】に引き続き

  • 大舘曲げわっぱ・杉桶樽
  • 白岩焼
  • 銀線細工・木目金
  • 樺細工

についてご紹介したいと思います。

樺の木の皮から生み出される美しい世界をご堪能ください。

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樺細工とは

樺細工は、秋田県仙北市角館町で作られている木工品のことです。「樺」とは山桜の樹皮を指しており、山桜の樹皮を用いた木工品は、日本国内で秋田県のみに伝承されており、大変貴重な伝統工芸品と言えます。また、植林木よりも風雪に耐えて育った老木から取れる樺の方が細工した時に美しさの映える表情をしているのだそう。皮の外観によって名称が付けられており、光沢深く、縦に皹が入ったものを“ひび皮”(最高品質)、滑らかな“あめ皮”、皮の中のゼラチン質がちりめん状に見えるちりめん皮”など様々な皮があります。
樺細工の特徴は、防湿、防乾に優れ、なおかつ堅牢であるという点に加え、樺の模様やその光沢が生み出す美しさにあり、茶筒や茶托、整理箱、花器などの古くから親しまれている道具や、髪留めやストラップ、ブローチなどのアクササリーなど現代においても広く継承されています。

工法

樺細工には「型もの」「木地もの」「たたみもの」という3つの技法があります。円柱の木型に経木と樹皮を巻き、熱した金ゴテでおさえながら貼り合わせる「型もの」は、茶筒などの筒状の製品に用いられます。「木地もの」は、箱型のものを作る技法で、下地となる木に樹皮を貼っていき、お盆や文箱に使われています。最後に「たたみもの」は、磨いた樹皮を何枚も重ね貼りして厚みを出したのちに彫刻する技法で、箸置きを始め、ブローチやペンダントなどが作られています。

歴史

1781年(安永10年)から1788年(天明8年)の間に武士、藤村彦六によって県北部の阿仁地方より技法が伝えられたのが始まりとされています。
当初は下級武士の副業でしたが、当時角館を治めていた佐竹北家により地場産業まで発展していきました。その頃の主な製品は、根付けや印籠、胴乱などの小物類で、参勤交代の際にお土産として好まれていたとされています。
明治時代に入ると、本格的に樺細工職人の道に進む者も多く、有力な問屋が出現したことや工具が改良されたことなどにより安定した産業へと発展しました。その後、柳宗悦など、名工とも呼ばれる職人の出現によりさらに技術が改良され、商品としての価値が高められてきました。
1976年(昭和51年)には秋田県では初めての伝統的工芸品の認定を受けました。そして今日に至るまで、先人たちにより開拓、伝承されてきた高い樺細工の技術は現代に至るまで大切にされており、今尚暮らしに合った製品が生み出され続けています。

参考サイト:KOGEI JAPAN, 富岡商店, 伝統工芸 青山スクエア, THE COVER JAPAN

樺細工の優美でおしゃれな作品たち

それでは現代においてさらに進化し、現代の暮らしにもマッチするおしゃれで素敵な樺細工の作品たちをご紹介させていただきたいと思います!

富岡商店

HPより 仙北市にあるギャラリー

まずご紹介するのは1970年創立の「富岡商店」さんです。

わたしたち冨岡商店は、国指定伝統的工芸品である樺細工(桜皮細工)の製造元として、
世界に類を見ない一属一種ともいうべきクラフトの価値を国内は元より広く世界に発信し、
「一生に一つ」使い続ける豊かさを通じて、人々の潤いある生活に貢献できる企業を目指します。

富岡商店 HPより

上記理念のもと、様々なアーティストとコラボレーションして生み出した商品など、新しい商品開発に精力的に臨まれています。

ブローチ「KOVERS」

樺に繊細なプリントを施す技術を開発して生み出されたブローチです。和モダンなデザインから幾何学的でアーティステックなデザインまでおしゃれな模様がラインナップされています。それぞれの模様に縁起が担がれており、お守りのように身につけることができます。とっても素敵なコンセプトですよね!

「流水」と名付けられたブローチ。【不運を流す、清め、浄化、清浄】といった縁起があります。

好きな模様を組み合わせても可愛いですね。カバンやカーディガン、ストールや帽子などにつけて秋田の伝統をおしゃれに感じることができるなんて….幸せです!

茶筒

富岡商店では伝統的な茶筒も販売していますが(そちらも素敵なのでぜひチェックしてみてください)、モダンに昇華された進化版の茶筒もデザインされています。

茶筒その1「BAND」

リボンのように光沢のあるカラフルな「バンド」がアクセントを加えている「BAND」。一本の差し色が入るだけでとってもモダンな印象になりますね。可愛い……!!

茶筒その2「Join」

こちらはキャニスターのような形で、積み重ねることのできる茶筒です。

お好きな種類の茶葉を揃えて保管するときは重ねて「Join」させておく事ができます。好きな色を集めたいですね!

茶筒その3「Bird’s Eye」

本体にはメープルの木が用いられている「Bird’s Eye」。開けると樺の美しい模様が現れます。コーヒー豆を淹れる容器にぴったり。

豆の品質も保てる上にこんなにおしゃれなんて…欲しいです….!!

茶筒その4「happa」

文字通り「葉っぱ」の形をした匙がついた茶筒。蓋の部分にまるで芽が生えたように挿して保管する事ができます。使っていない時も可愛いですよね!匙のデザインがちょっと北欧チックで可愛らしい一品です。

トレイ

お次はトレイです。お盆は樺細工において古くから作られてきた工芸品ですが、とってもおしゃれに華麗な変化を遂げています。

トレイその1「Trick tray」

まさにトリックアートのようなトレイ。ずっと眺めていると不思議な世界に入り込んでしまいそう。とはいえ技術の高さを伺える精緻な仕上がりです。モダンなお部屋によく映えそう。

トリックを感じます…!!楽しいティータイムになりそうですね。

トレイその2「RIM」

文字通りリム部分に樺加工が施されたトレイ。さりげないところに伝統を感じる事ができて素敵です。樺の美しさがより引き出されていますよね。

トレイその3「Tsunagu」

先日ご紹介した曲げわっぱに使われている細工の模様に似ていますね。四角や丸が連なった模様が可愛らしくてシンプルなトレイを華やかにしてくれています。

こちらの「Tsunagu」シリーズはトレイの他にも様々あり、どれも素敵ですのでぜひチェックしてみてください。

こちらのパンプレートなんて、とっても素敵ですよね!白磁には美濃焼が、木の部分はヒノキが使われいるとっても贅沢な作品。食事をゆっくりと楽しむ事ができそうです。

トレイその4「Round Akita」

丸い楕円形の形が木の優しさを感じられる「Round Akita」ふちの部分にさりげなく一本の帯状の樺が使われています。

お茶の時間にぴったり。ゆったりとした時間を過ごす事ができそうです。

その他の商品

スパイス入れ「樺の斜塔」

なんと斬新なアイディア!斜めに傾斜がかかっているのがまるでピサの斜塔のような形をしているこちらの商品。スパイス入れです!

キューブ状になっているのがなんとも可愛らしい。サイズ感もちょうどいいので食卓にぴったりですね。

ペンケース「Expression」

とってもおしゃれな樺細工のペンケース。樺独特の光沢がなんとも美しいです。カバンの中が一気に華やぎます。

大切な文房具だけを大切にしまう….それだけで幸福度が上がりますよね。

名刺入れ「AGING」

今度は名刺入れです。使うごとに渋みを増して良い味わいを醸してくれる樺細工。名刺入れとともに社会人としても育っていく事ができますように….と願いをこめたくなりました。外と中で樺素材が異なるのもおしゃれです。素敵…..!

磁石を使ったインテリア「kiss of kaba」

こちらは冷蔵庫などにつけられるように磁石仕様になっています。とってもおしゃれで、冷蔵庫周りも綺麗になりそうです。

角舘伝四郎(藤木伝四郎商店)

1851年創業の角舘「伝四郎」さんは

自然の素材である桜皮と向き合いながら、樺細工を作り続けています。

表情の豊かな桜皮の質感を大切にしながら、くらしに華やぎを添えてくれる、真正なものづくりをこれからも続けていきます。

角舘伝四郎 HPより

という理念のもと、暮らしが華やぐような樺細工の製品開発に取り組み、様々な商品を世に出しています。

茶筒

伝四郎では昔ながらの伝統ある素敵な樺細工の茶筒も販売されていますが(ぜひチェックしてみてください!)、よりモダンでおしゃれに昇華した素敵な茶筒がたくさんありますので、ご紹介させていただきます。

茶筒その1「輪筒」

パッチワークのように異なる木素材の輪っか組み合わされて作られた輪筒。どの組み合わせにしようか迷ってしまうくらい、それぞれが異なる個性を出しており、素敵です。

木の優しいぬくもりと白磁の組み合わせがほっこりします。

お菓子やナッツなどを入れてキャニスターとして使用してもこんなにおしゃれなテーブルに。

茶筒その2「帯筒」

続いては帯のような木目とカラーがとってもおしゃれな帯筒。モダンな色展開が素敵です。

可愛らしい色も揃えられています。うーーーん……迷いますね!!どの色もモダンでありつつ木の優しさも引き出されており、素晴らしい茶筒ですよね。

蓋を開けると伝統的な樺細工が現れるという演出も憎いくらい素敵です。

茶筒その3「匠筒」

「匠」という名の通り、まさに匠技が光る至極の作品。厳かな気持ちでお茶を丁寧に入れよう、という気にさせてくれます。同じ樺を使っていてもここまで異なる表情を見せてくれるとは….樺細工の奥深さを魅せてくれる作品です。

その他の商品

箸置き「葉枝おき」

葉っぱの形に樺の模様がまるで葉脈のように見える箸置き。とってもキュート。

光源「Light Base」

こちらは上にものを乗せる事でインテリア照明になる光源です。

例えばドームを載せれば優しい灯火になります。

別売りで販売されているお花が入れられたキューブを載せればお花を下から照らして美しく魅せてくれます。なんとも風流なライトですね。

他にもティッシュケースやドキュメントケース、写真たてなど樺の美しさを最大限引き出している優美なインテリア品が生み出されています。

仏具の隣に置いても違和感のない、和の美しさ、優しさを持っていますよね。心が安らぎます。

なんでも大学とのコラボレーション「かばブローチ」

「樺」と「カバ」がかかった可愛らしい発想のブローチ。見た目もとってもかわいい。「なんでも大学」の樺細工特集の際に生まれた商品だそう!一つ一つ樺の模様が違って味わいが異なるのもオンリーワンのブローチという事で、なんだかワクワクします!

シンプルなリュックによく映えます。かわいい…….!!伝統工芸を身につけて出かければ、気分も上がりますよね。

終わりに

いかがだったでしょうか?

とっても素敵な作品ばかりでしたよね。自然を使ったものは暮らしへの馴染みがとっても良いなと思います。

実は母の実家でも祖母が大切に樺細工の茶筒を使っていました。

蓋を閉めるときは樺の模様に合わせなければならないのですが、幼い頃は気にせず閉めて祖母が後からそっと直していたのを思い出します。樺の茶筒は呼吸してくれるので、茶葉が悪くなるのを防いでくれていました。祖母淹れてくれたお茶の美味しさの秘訣は茶筒にも合ったのかもしれませんね。

私もいつか秋田の樺細工の作品を生活に取り入れたいと思います。

というわけで、4弾に渡ってお送りしてまいりました「日本の伝統工芸を知る」「秋田編」、今回はこれにて閉幕です!

豊かな自然の中で育まれてきた歴史ある秋田の伝統工芸、皆さんもぜひ秋田を訪れたりして目で見て、手で触れて楽しんでみてくださいね!

次回もお楽しみください。

それではまた。

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