こんにちは。今回は「日本の伝統工芸を知る」シリーズ【青森編その2】です。
今回は前回の「津軽塗編」に引き続き
- 津軽塗
- 津軽びいどろ
- あけび蔓細工
- こぎん刺し
- 南部裂き織り
「津軽びいどろ」についてご紹介したいと思います!
美しくきらめく津軽びいどろの世界をお楽しみください。
津軽びいどろとは
陸奥湾近辺で作られていた漁業用の「浮玉(うきだま)」の製法を応用して作られるようになった青森県を代表するガラス工芸品です。1949年創業のガラス工房、「北洋硝子株式会社」の職人さんたちが「宙吹き」の技法を用いることで、美しさと実用性を兼ね揃えた透明感溢れるガラス作品が生み出されています。その最大の特徴は色彩豊かな色ガラスであることです。
浮玉製造から始まったガラス工房。もともと無色透明のガラス玉を作っていましたが、ある偶然により美しい深みのある緑へと変化を遂げました。それは職人が青森県の中でもひときわ美しい砂浜と自然が続く七里長浜の砂を一握り原料として加えたことによるものです。温かみのある緑は各地で愛されるようになり、七里長浜の工芸品として村おこしの役割も担ってきました。その後浮玉がプラスチック製に替わると、長年培われてきた「宙吹き」の技法を用いて花器などを生産。青森という交通の便が悪いと言う地理的条件から、色ガラスなどの原料も自社調合していました。
そして、その成形技術と色ガラスを掛け合わせた工芸品として、1977年に食器や花器などで構成された『津軽びいどろ』が誕生しました。驚くべきことに、職人たちはほぼ独学でその高い技術を習得したそうです。そのたゆまない努力の結果、現在では青森県伝統工芸品の指定を受けるに至りました。
「津軽びいどろ」 HP より
底に散りばめられた色ガラスが美しいグラスたち
氷華
ぽってりとしたフォルムと金彩(きんだみ)が美しい「氷華」シリーズ。一つ一つ微妙に形が異なり、柄も様々。自分だけのグラスを探してみてはいかがでしょうか。レモンがよく映えてとっても綺麗。
アイスの器にしても。ミニパフェに最適ですね。こんな綺麗な器で食べたら味わいもワンランクアップしそうです(笑)
色空グラス
こちらは、空の下、屋外で楽しむことをイメージして作られたそうです。爽やかな雰囲気とガラスの透明感に炭酸がよく似合います。思わずゴクリ。炭酸が飲みたくなってきました(笑)
12色のグラス
日本の風景や美しい自然を表現した「12色のグラス」シリーズ。まるで色鉛筆で描いたかのような繊細な線のタッチが流れる風のような爽やかさを感じさせ、優しい気持ちにしてくれます。写真のようにお花を生けて風情があっていいですよね。お庭や道端で摘んだ野花を飾るのも素敵です。
ふくらぐらす
ふっくらとまん丸のフォルムが可愛らしい「ふくらぐらす」シリーズ。薄くて口当たりの良いところが特徴です。飲み物って、その容器によって時に味さえ変えてしまう不思議な魔力があると思います。厚みのあるグラスと薄いグラスでは口当たりが全く異なりますよね。同じ水で飲み比べてみるとその差は歴然です。ですから、飲むのもによってグラスを変えるって、結構重要なことだと思うのです。
旬のフルーツ水なんて、おしゃれですよね。私は麦茶を飲みたくなりました。
デザートの容器にすればおしゃれなカフェ風になって気分も上がりますね!
盃コレクション
淡い桜色から春を、白い粒から冬を連想させてくれるような盃まで、日本の美しい四季の風景を表現した「盃コレクション」。人の手で作られた温かみのある有機的な雰囲気がとっても素敵。四季折々で盃を変えてお酒を楽しみのも風情があって乙ですよね。
美しい….。お酒の美しさをアテにして飲む、なんて言うのも素敵ではないでしょうか(笑)また、盃としてだけではなく一品料理やちょっとしたおつまみの器としてもおしゃれです。
津軽びいどろNEBUTA
彩り豊かな「ねぶた」やフィナーレの花火など、夜に映える色鮮やかさが印象的な「ねぶた祭」。その色彩が8色のガラスで表現されています。色鮮やかで華やかな色彩が元気な気持ちにさせてくれます。
夏にぴったりなビールジョッキ。地元のクラフトビールなどはいかがでしょうか?クゥ!!
食卓を彩る鮮やかな器たち
津軽びいどろNEBUTA
上記で登場した「津軽びいどろNEBUTA」シリーズの食器。光の色や加減で見せてくれる表情も異なります。どんな料理も爽やかに食欲をそそる仕上げにしてくれること間違いなしですね。
津軽の花
青森の四季を彩る、可憐な花や果実をモチーフとした「津軽の花」シリーズ。湾曲した独特のフォルムが素敵です。そして素麺が美味しそう。盛る器も大事なのだということを改めて実感させられました。冷製スープやパスタなども相性が良さそうですね・陶器の器との相性もいいですから、毎日のテーブルコーディネートとが楽しくなりそうです。
津軽自然色りんご
青森の代名詞ともいえるりんごをモチーフに「幸せが訪れますように」との想いが込められたシリーズ。赤りんごと青りんごをイメージした2色。リンゴの白い花や実の良い黄色が散りばめられています。ボウル状のこういったガラスの容器ってなかなか目にしないですよね。そのフォルムの可愛さもさることながら、深めの構造が実用性をしっかりと兼ね揃えています。
並べられている姿もおしゃれ。飾っておきたくなりますね。
水盤
津軽の風景や水辺の自然を映し取った『水盤』シリーズ。直径約345mm、高さ約90mmという大ぶりの花器。モダンな雰囲気が素敵。大振りだからそのまま茎を短く切って生けても様になります。和室にも洋室にも合いますね。
間接照明でも美しく草花を演出してくれます。水を張れば加湿器としての役割もしてくれるので寝室にも良さそうです。
復刻 七里長浜
七里長浜はその名の通り青森にある七里(約28km)も続く長い長い砂浜。近くの湿原や泥炭地には、季節の花々が美しく咲き誇ります。「復刻 七里長浜」はそんな七里長浜の砂を加えることで生まれました。冒頭で記したように、まさに津軽びいどろの「宙吹き」技法の原点とも言えるシリーズです。深い緑は見る人によってそのイメージが変わるような不思議な雰囲気を醸し出しています。ちょっとレトロな雰囲気がノスタルジーすら感じさせます。
私はこの「七里長浜」シリーズ、一目惚れしてしまいました…!!
ボタニカルな草木や野草などをより美しく引き立ててくれそうです。
ロックグラスとしてもとっても素敵。ウイスキーが緑によく映えます。
便利な耐熱ガラスの器たち
耐熱酒器
電子レンジ、湯煎OKの耐熱性のガラス器です。こちらもまた難しい温度管理や成形を経て職人たちの手によって生み出されています。耐熱ガラスでこんなにも術性のある器はなかなか見ませんから、とっても嬉しいですよね。
何よりもその美しさたるや……。優しい曲線と厚みがありながら透明感もある姿がお酒を美味しくしてくれそう。お気に入りのお酒と一緒に飾っておいても素敵です。
耐熱性なので熱燗にもぴったり。夏から冬までオールシーズン楽しめます。
インテリアとしても華やかな器たち
彩手鞠
「彩手鞠(いろてまり)」は季節の色や模様をイメージしてつくられた、ガラスの一輪挿し。それぞれ移ろう四季をイメージして作られているのでその折々で器を変えて楽しむことができます。まるで水風船のような華やかさがお部屋を明るくしてくれます。
まん丸の器が普通の花瓶ではできない楽しみ方を体験させてくれます。だんだんと短くなってきた切り花を移しても、長く楽しむことができて良いですよね。
お気に入りのアロマを垂らしてアロマディフューザーとして使っても素敵です。
オイルランプ
可愛すぎますよね….!!!コロンとしたまん丸なフォルムと津軽びいどろらしい華やかな色ガラスの模様がおしゃれです。有名な「1/f ゆらぎ」効果でずーっと眺めていることができます(笑)
青りんごと赤りんご。おしゃれです。食卓を美しく照らしてくれること間違いなし!間接照明で食事をするなんてロマンチックで憧れですよね。非常用に一つあると便利ですし、火をつけていなくてもインテリアとして十分に素敵なので重宝しそうです。
他にも色々なシリーズがありますので、ぜひチェックしてみてください!
終わりに
いかがだったでしょうか?
とっても綺麗な津軽ビードロの世界。
思わず見入ってしまうような作品ばかりでしたね。
光の色や加減で見せる表情を変え、見る人を飽きさせない津軽ビードロ。
一年中使えるのはもちろんのこと、今からの季節にぴったりなテーブルウェアとして活躍してくれること間違いなしです!
ぜひご自身の手にとってその美しい世界観を楽しんでください。
それではまた。
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