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可愛くてお洒落な「北陸雑貨」に出会ってみませんか?−日本伝統工芸を知る−【富山県編】

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日本伝統文化

こんにちは。お家にいる時間も増え、それとともに食器をはじめとする身の回りの雑貨と触れ合う機会が増えたのではないでしょうか?

雑貨といえば、「北欧雑貨」は日本でも大人気ですよね。イッタラやアラビアをはじめとする北欧雑貨、私も大好きですが、日本にも沢山の伝統工芸品を継承した、おしゃれで可愛らしい雑貨が沢山あります。私自身も日本伝統文化を知り、触れてみたい、そしてみなさんと共有したいという気持ちから、今回は石川、富山、福井を中心とした北陸の雑貨、「北陸雑貨」に注目し、美しく、可愛い作品をまとめてみました。第二弾は富山県編です!(第一弾、石川県編はこちら

どうぞお楽しみください!

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富山県編

富山県は三方を北アルプス山脈に囲まれ、大きく平野が広がる、まとまりのよい地形をしています。飛騨山脈をはじめとする連峰に囲まれていることから良質の木材に恵まれ、木材を活かした工芸が盛んに行われてきました。地域としては5つのエリアに分けることができ、東から順に「黒部、宇奈月」「立山」「富山」「高岡、氷見」「砺波、五箇山」に分かれています。

高岡は加賀藩前田家二代、利長により開かれた工芸のまちとして栄え、今尚脈々と受け継がれる伝統文化により2018年、「日本遺産」に認定されています。

現在、国が指定する伝統的工芸品として「高岡銅器」「井波彫刻」「高岡漆器」「庄川挽物木地」「越中和紙」「越中福岡の菅笠」があります。中でも「高岡漆器」「井波彫刻」「高岡銅器」鋳物ブランドである「能作」の錫製品などは「富山県推奨とやまブランド」に認定されており、全国に広くその魅力を発信しています(参考サイトはこちら)。

この記事では「高岡鋳物」「越中和紙」「越中福岡の菅笠」「井波彫刻」「高岡漆」に着目して素敵な作品たちをご紹介していきたいと思います!

高岡鋳物

高岡鋳物は、高岡市周辺で生産されています。その歴史は古く、近世初頭の高岡開町にはじまり、鍋や釜といった日用品や鋤や鍬などの鉄鋳物を生産していました。江戸中期頃になると城下の発展を図るために加賀藩主が鋳造師を迎え入れたことにより、高岡銅器の生産が発展し、鐘や灯籠といった銅鋳物がつくられるようになりました。 江戸末期頃には鋳造技術の進展により、仏具屋花瓶などの鑑賞性の高い製品が作られ、海外にも輸出されるようになりました。明治時代には欧州で開催された万国博覧会に高岡銅器が多く出展されジャパネスク旋風を巻き起こしたそうです。その後、置物や茶道具の生産が盛んになり、美術工芸品として広く認知されるようになりました。同期の生産量は国内でもトップクラスで、国内に流通する仏具においては9割が高岡市で生産されています。
高岡銅器の魅力はその繊細さと力強さにあり、さらに時が経つことにで、より深みを増してくる味わい深さも人気が高い理由です!

山口久乗

1907年に創業の老舗「株式会社山口久乗」は主に仏具の生産、卸を行なっており、仏具の一部である「おりん」の音に着目し、独自の商品展開をしています。仏具以外にも暮らしの道具とし様々な「おりん」を生み出しています。

「山口久乗」の上品な世界観をお楽しみください!

「リンプラネット ヴィーナス」と名付けられたこちらの作品は惑星をイメージして創られています。全体的に丸みを帯びたデザインは部屋全体を優しい雰囲気で包んでくれそうです。「おりん」と言えば和室のイメージがありますが、洋室にもぴったりでインテリアとしても美しい作品です。つい鳴らしてしまいたくなりますね。

こちらは「ことりん」いう文字通りことりをかたどったデザインのおりんです。なんとも可愛らしいですね。上部には後で紹介させていただく「高岡螺鈿」の技術が用いられており、美しいデザインになっています。

いつでもおりんを携帯できるようにとつくられた「おともりん」どの名前もそのデザインにも表れているようにシンプルでかつおりんの音色のような優しさを感じます。こちらは天然石で叩いて音を鳴らす、という作品。それぞれどんな音色を奏でるのか気になりますね!付属の越中和紙でできた入れ物は桂樹舎(後でご紹介します。)の作品で台座にも早変わりする優れものです!

とってもかわいくて「マイおりん」を持って歩きたくなりますね(笑)ç

能作

能作」は富山県高岡市で1916年に創業した老舗鋳物メーカー です。仏具、花器、茶道具から錫テーブルウェア、ホームアクセサリーに至るまで幅広い鋳造作品を生み出しており、「より能(よ)い鋳物を、より能(よ)く作る」というコンセプトを掲げています。また、昔ながらの鋳造技術を受け継ぎつつ、新しい素材、技術研究に取り組んでいます。

「能作」の作品は、錫(すず)を主に使用しています。錫は金や銀の次に高価であり、酸化しにくく抗菌作用に優れていることからエジプトなどで愛用されてきました。そんな機能性抜群の錫を用いた商品は日用品でありながら洗練されたデザインを楽しむことができます。

笹の葉をモチーフにしたお香の器。球にお香をさすことができます。洗練されたデザインですね。お香が燃え尽きるのをずーっと眺めていたくなりますね。近年はお香の種類もたくさんありますから、こんな器があればお香選びも捗りますね!

こちらは青銅の苔盆栽。苔の部分がハリネズミの背中に見立ててあり、とっても可愛いらしいです!胡蝶蘭などのお花苔玉を移し替えてもいいですね。器を変えるだけで楽しみが広がります。

高岡鋳物×風鈴×富山もよう

富山もよう」とは富山の魅力をモチーフに、テキスタイルデザイナーの鈴木マサル氏がデザインしたオリジナルの模様のこと。カラフルで切り絵のような柔らかさを持ち、どこか北欧デザインを感じさせます。2019年にはグッドデザイン賞を受賞しています。

その「富山もよう」と「能作」がコラボレーションしたのがこちらの風鈴です。富山づくしな豪華作品です。お香を焚き、風鈴の音を聞きながらお昼寝をしたら最高ですよね!上記サイトでは他のテキスタイルと組み合わせた風鈴とその音色を聴くことができますので是非ご覧ください。

世界的アーティストである天野喜孝氏とコラボレーションした「CANDY GIRL」シリーズのブローチ。高岡の伝統的な着色を施した銅板に、シュールでポップなキャラクターが生き生きと描かれています。金属の表面を化学変化させることで美しいあじわいを引き出す着色は、職人たちが一つ一つ色合いを見極めながら作るので、一つとして同じものはない、一点ものです!伝統×現代アート作品、素敵な融合です。

こちらは「ドラえもん」と「能作」がコラボした錫製のぐい呑です。日本が誇るアニメ文化と富山の伝統技術が掛け合わされた至極の一品ではないでしょうか!お酒がついつい進んでしまいそうですね(笑)

高岡銅器、漆器などを販売する雑貨屋さん「伽藍堂」

https://garandou.jp

雅覧堂(がらんどう)」は、高岡大仏の隣に店舗を構え、地元高岡や全国各地の工芸品を取り扱っており、オンラインショップも経営されています。

工芸品は、決して扱いにくいものではなく、少しの知識があれば普通に使え、そのものの良さを暮らしの中で引き出すことができるものです。 毎日使うことによって使い艶が出てくるもの、奥深い色合いに変化してくるもの、中には傷がついたり角が丸くなってきたりするものもあります。使うことにより変化する様がまさに工芸品の素晴らしいところ。変化した姿が楽しみになるのが工芸品。

特別な日にだけ使うのではなく、普段使いをして暮らしの中で馴染ませていく、育てていくときっとその美しさや愛おしさに気づく瞬間が訪れるはずです。

公式HPより

「伽藍堂」が販売している素敵な高岡鋳物をご覧あれ。

高岡鋳物:真鍮

こちらの美しい真鍮作品、何だと思いますか?実は「栓抜き」なんです!!まるでオブジェのような佇まい、卓越されたデザインで素敵ですよね。高岡市にある「FUTAGAMI」という真鍮メーカーのブランドから出されています。輪が重なったデザインの栓抜きは「「日食」をイメージされているそう。う、美しい。真鍮は空気酸化されていくことにより、色が美しく変化していくため、経年変化を楽しむことができま。これまた晩酌が進んでしまいますね(笑)

こちらも「FUTAGAMI」の作品で、真鍮でできたマグネットフックです。真鍮独特の深みのある色合いがアンティークのようで美しいですね。冷蔵庫につければ、フックを際立たせるために冷蔵庫が綺麗になりそうです。

「FUTAGAMI」のカトラリーです。滑らかな真鍮の肌が美しいです。金属とは思えない柔らかさを持っています。カトラリーに合った食事を考えるのも楽しそうですね。

高岡鋳物:銅器

こちらは高岡銅器のペーパーウェイトです。微笑んでいるかのようなカバの愛らしい表情と、味わいのある肌感に愛着が湧いてくる作品です。カモの文鎮を父が使っているのですが、いろんな動物を集めて文鎮動物園を作りたくなっちゃいます(笑)

お次は銅器でできたリスの朱肉入れです。可愛すぎます…!!上記のカバさんといい、リスちゃんといい、その動物が持つ雰囲気を高岡銅器ならではの柔らかさと深みのある質感、色味で表現されていますよね。机の上にちょんと並べて置けば仕事も捗りそうです(笑)

越中和紙

越中和紙」は、富山県朝日町、八尾町、平村周辺で作られている和紙です。生産地は五箇山和紙(ごかやまわし)、八尾和紙(やつおわし)、蛭谷和紙 (びるだんわし)の3つがあります。その起源は定かではありませんが、奈良時代(8世紀ごろ)にはすでに生産されていたと考えられており、1984年には国の伝統工芸の指定を受けています。
越中和紙の特徴は、産地ごとに少しずつ用途が異なっており、さまざまな種類の和紙がある点です。蛭谷和紙では書画用紙、五箇山和紙では障子紙、絵画や版画用の紙、文化財補修用紙などが製造の中心となっています。いずれの越中和紙も生活の中で重宝されてきたものであり、その丈夫さが魅力です。
近年ではモダンなデザインの和紙が作られるようになり、高い人気を誇っています(参考サイトはこちら)。

桂樹舎

今回ご紹介するのはデザイン製の高さから絶大な人気を誇る「桂樹舎」の八尾和紙作品です!桂樹舎の型染め和紙はなんと、民藝運動に加わった染色工芸家の「芹沢銈介」と一緒に研究して生み出されたものなのだそう。芹沢氏の世界観が作品たちに見事に現れています。数年前、静岡県にある登呂遺跡の隣に佇む「芹沢銈介美術館」を訪れた時の感動が作品の色合いと同じように鮮やかに蘇るのを感じました。

また、八尾和紙は水に強い丈夫な素材であり、古くは越中富山の薬を包む紙として用いられてきたそうです。今、富山化学の「アビガン」が新型コロナウイルスの治療薬として注目されていますが、自然に囲まれた美しい富山で生まれた和紙とお薬が繋がるとは….なんだか感慨深いものがあります(参考サイトはこちら)。

こちらは小物入れ。ノスタルジックな雰囲気とレトロなデザインがたまらなく可愛いです。モロッコのタイルのようなデザインも緻密で美しいですね。文具をこんな綺麗な箱で整理したら掃除もはかどりそうです。

こちらは「技のこわけ」シリーズの小さなトレーたち。中には「富山もよう」をあしらった越中和紙もありますね!コースターとして使ってもいいですし、写真のように花瓶を置いても素敵。もはや壁に飾っておきたくなっちゃう可愛さです(笑)

続いてはブックカバー。目覚めるような赤と幾何学模様が美しいです。

こちらは「ビームス」で販売されているシリーズ。大きめな収納箱や名刺入れなどが販売されています。統一感があるので不思議と柄×柄でも落ち着いた雰囲気になりますよね。ヨーロッパの帽子入れのような形のデザインも素敵です。

お次は「苗字封筒」です。よーく見ると「佐藤(砂糖)」「伊藤」「田中」「林」などの苗字が絵柄に隠されていますよね。自分や友人の苗字があればついつい買ってしまいたくなる可愛さですね!日本の苗字ならではの封筒です。他にもたくさん揃えられいますのでぜひチェックしてみてくださいね!上記のサイトでは「集え!◯◯さん」と題して封筒にしてほしい苗字を募集されていたので、苗字がなかった!!という方でもチャンスがあるかもしれません。

こちらは越中和紙の丈夫さを生かしたトートバック。一枚のタイル模様のようなデザインになっています。シンプルなファッションにしてこのバックを引き立たせたらとっても素敵なコーディネートになりそうです。「桂樹舎」は他にもオリジナルのテキスタイルで素敵な作品を数多く販売されていますので、ぜひチェックしてみてください!芹沢銈介氏の復刻版カレンダーも必見です!

井波彫刻

井波彫刻(いなみちょうこく)」は、南砺市で製作されている木彫刻・木工品です。主に、国産のクスノキ・キリ・ケヤキなどが材料に使われています。
ノミや彫刻刀を200本以上を駆使して、両面から施す「透かし深彫り」の技による立体的な3D彫刻が井波彫刻の最大の魅力です。その歴史は江戸時代中期まで遡り、井波にある瑞泉寺の再建にあたり、京都本願寺の御用彫刻師である前川三四郎から地元の大工らが彫刻技法を習ったことが始まりとされています。1792年に作られた瑞泉寺の「菊の門扉」と両脇の「獅子の子落とし」は日本彫刻市場の傑作と称されています。 明治時代に入るとそれまで大工が兼任していた彫刻が、その芸術性の高さから専業へと変わっていきました。1947年には訓練校が作られ、現代まで井波彫刻の技術が伝承さ続けています。
近年では、ギターやベースに龍や獅子の井波彫刻を組み合わせて作成する井波彫刻家が数多く輩出されています。(参考サイトはこちら)。

ここかしこ」は日本の伝統文化を柱に様々なクリエイティブ作品を販売している会社です。とっても素敵な商品で溢れているのでぜひ訪れてみてくださいね!また、コンセプトが大変素晴らしいのでご一読ください。

こちらは「雲棚」です。まさに井波彫刻の特徴である躍動感溢れる立体的な雲棚です。全てノミのタッチだけで削られているというから驚きです。最近では神棚を設けていないお家も増えてきていますし、賃貸だとなかなか難しいですがこちらの作品ならぴったりですよね(壁に傷をつけずに設置するDIY方法もありますから大丈夫です)!

厳かでありつつもどこか優し雰囲気の雲棚。見守ってくれているような心強さもあり、心の拠り所になってくれそうです。限定品なので注文はお早めに!

こちらは井波彫刻ではないのですが神棚つながりで「ここかしこ」で販売されているフェルト生地の神棚です!素敵な発想ですよね!これなら落ちてきても怖くないですね(笑)

越中福岡の菅笠(すげかさ)

菅笠」は、材料に乾燥した菅草を用いており、古くは1400年代から始まった縫い笠です。江戸時代に加賀藩が生産奨励したことで全国に普及しました。農作業での日除け・雨除けや、日本各地の祭り事などの道具として使われています。富山県では高岡市、砺波市、小矢部市、南砺市が主な生産地となっています。「福岡町」はかつて石川県との県境に存在した町です。 福岡で製作する菅笠は多種にわたり、角笠、富士笠、大野笠、胴深笠、三度笠、次郎長笠、妻折笠、市女笠などがあり、いずれも100年以上変わらない伝統を受け継いでいます(参考サイトはこちら)。

こちらは「菅笠振興会」が販売しているスゲでできたブローチ。染色された菅が美しいです。水に強く、丈夫な素材ですからたくさん使えますね!ナチュラルなファッションにぴったりです。

続いて、スゲのイヤリング。自然の優しい雰囲気が素敵です。夏には涼しげな印象を演出してくれそうですね!

「菅笠振興会」では他にも帽子や香典入れなど様々なスゲのアレンジ作品を販売されていますのでぜひチェックしてみてください。

高岡漆器と螺鈿細工

最後にご紹介するのは「高岡漆器と螺鈿」です。「高岡漆器」の歴史は、江戸時代初期にまで遡り、加賀藩初代藩主・前田利長が高岡城を築城した際に生活用品を作らせたのが始まりとされています。5年後の廃城後、高岡は商工業の町に転換しました。 「高岡漆器」は、高岡市で生産されており、その特徴は、「青貝塗」「勇助塗」「彫刻塗」の3つの技法を用いた多様なデザインが施されていることです。
「青貝塗」は、貝がらの光沢部分を薄く削った「青貝」という材料を使い、細片を組み合わせて花鳥や山水などを表現する技法です。
このような貝を細工した装飾技法を総称して「螺鈿」といい、一般には約0.3mmの厚さの貝が使用されるのに対し、高岡漆器では約0.1mmの厚さの貝も使われます。そのため下地の漆の色が透けて映り貝が青く光って見えます。この螺鈿細工は高岡漆器独自の技法です(参考サイトはこちら)。

今回は高岡漆器の独自技術である螺鈿細工×アクセサリーの美しいコラボレーションをご紹介します。

ジュエリーブランドの「bohem」と「高岡漆器」が協力して生み出したアクセサリーです。華奢なデザインで女性の柔らかい肌を際立たせてくれています。

こちらはイヤリング。螺鈿細工の繊細さがまるで水彩画のような美しさを生み出しています。小さな絵画のようですね。

こちらはネックレス。ため息の出る美しさです。宝石にも劣らない螺鈿の輝きがあります。ゴールドとよく合いますね。

最後にリング。一つ一つが違う輝きと表情を持っていて、ずーっと眺めていたくなります。伝統工芸をこんなにも美しい形で身につけられるとは至極の幸せですよね。

他の作品も美しいものばかりですので、ぜひご覧になってください。

終わりに

いかがだったでしょうか?雄大な山々に囲まれた地で育まれてきた数々の伝統工芸。いずれの技術にも職人とその方々を支える周りの人々の努力と心が篭っていました。少し敷居の高かった伝統工芸がより、日常の暮らしに近づき、そっと彩りを添えてくれるものに昇華されています。

コロナが終息して、日本に帰ったら富山県に遊びに行って直に伝統とそれを護る人々に出会ってみたいなと思いました!

人から人、手から手へと受けつがれた伝統工芸。次回【福井県編】もお楽しみに。

それではまた!

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