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山形の職人が魅せる優美な鋳物の世界。日本伝統工芸を知る【山形県編その1】

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日本伝統文化

こんにちは🌞

前回から少し間が空いてしまいましたが、伝統工芸シリーズ山形県編です!

山形県は、東北地方の南西部に位置し、5つの県と接しています。南西部は北陸地方の新潟県と接し、北西部は日本海に面しています。また、宮城県との境目には奥羽山脈が、西部には朝日連峰がそびえており、なんと県域の85%が山地なのです。ゆえに面積に対する森林の割合も70%を超えているなど、自然が多いのが特徴的。日本海側に面する庄内平野、山脈に続く盆地など各エリアごとに見所が違うのも観光・暮らしにおいて楽しいポイントです。さらに地理的特徴を生かした果物の生産が盛んで「さくらんぼ」「ラ・フランス」などが有名です。近年は「つや姫」「雪若丸」などお米の品種も全国的に人気があることで知られています。

雄大な山形自然の中で育まれてきた伝統工芸たち。

今回は数ある伝統工芸品の中より第一弾として、

  • 山形鋳物
  • 羽越しな布・月山和紙
  • 笹野一刀彫り・山形伝統こけし・天童将棋駒
  • 新庄亀綾織・米沢織り

山形鋳物」についてご紹介したいと思います!

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山形鋳物とは………..

山形鋳物(やまがたいもの)は、山形県山形市周辺で作られている金工品です。古くは、金具や仏像(伝統工芸として山形仏壇がある)、日用品が作られていましたが、技術が発達するにつれ、鉄瓶や茶の湯釜なども作られるようになりました。


現在では、日用品や芸術品、工芸品などの「工芸鋳物」と、農機具や機械部品、自動車部品などの「機械鋳物」の2つの分野があり、海外へも販路を拡大しています。特に茶の湯釜のシェアは日本トップクラスで、デザイン・技術において高く評価されています。1974年(昭和49年)、伝統的工芸品に指定されました。
山形鋳物の特徴は、鉄器がもつ重厚な存在感はそのままに、薄くきめ細かな肌感が生み出されている点にあります。「薄手で繊細な肌合い」を作りだしているのは、受け継がれてきた伝統ある技法です。


「型挽き」と呼ばれる独特な砂鋳型作り、砂鋳型にヘラを使って紋様を作る「紋様押し」、きめ細かな肌にする「肌打ち」によって、最大の魅力が生みだされています。
茶の湯釜や鉄鍋は鉄から作られますが、その他の製品には銅合金(ブロンズ)も使用されており、技術の進化とともに使用できる素材も増えた近年では、アルミの鋳物も見られるようになりました。

工芸ジャパンより

他にも、山形鋳物は軽合金鋳物・銅合金鋳物と種々の業種があり、職人さん、工房によって独自の工法を貫いてきたことから、「薄肉鋳肌」という共通した特徴を持つものの、形状や色、質感などが作り手によって異なる点も魅力的です。

平安時代後期まで遡る山形鋳物。その歴史にご興味がおありの方は「みちのくの伝統工芸山形鋳物は、みちのくの反乱から生まれた」というとても興味深い記事をご参照あれ!

南部鉄器との違い

鋳物と言えば同じ東北、岩手の南部鉄器が有名ですが、南部鉄器と山形鋳物の大きな違いは「デザイン」にあります。

南部鉄器は表面にアラレやトンボと言われるポコポコとした模様をつけることが多く、華やかで装飾的なのが特徴です。一方で山形鋳物は「薄肉美麗」と称され、薄い生地による美しいフォルムと砂目の美しい鋳肌が特徴。

そのシンプルでモダンなデザインは、普遍的な美しさを備えており、近年ではフランスをはじめとする海外においても人気が出ています。

鋳物(鉄器)の特徴

古くから使われてきた鋳物ですが、近年では新材料の台頭や家庭環境の変化などによりその需要は激減してしまいました。しかしながら、鋳物には素晴らしい特徴が秘められているのです。それは…….

  • 鉄分を取れる
  • 丈夫で保温性に優れる(→お茶の旨みを最大限引き出せる)
  • 衛生的に使用できる
  • 手入れをすれば何代にも渡って使用可能

 など、鋳物ならではの様々な利点が挙げられます。特に、鉄分不足は鉄器を使わなくなったから……..という声も聞かれるくらいです!そして持続可能な道具としてこれからの時代にもぴったりなのではないでしょうか☺️まさに原点回帰ですね!

木になるお手入れについては、内側がサビに強くするためにホーロー仕様になっている場合は直火NGであること、使用後はサビ防止に水気を拭き取ることがポイントです。

詳しくは「山形鋳物のティーポット、手入れの仕方は?何がすごいの??」という日本デザインストアの記事をご参照ください!

鋳心ノ工房(Chushin no Kobo)

「鋳心ノ工房」は増田尚紀デザインによる日本に伝わる鋳物の伝統美を、今日の生活様式に提案するCASTING STUDIOです。

伝統工芸は本来は決して保守的なものではなく、その時代においては極めて革新的な、ハードとソフトを合わせ持ったものです。工芸が人々の暮らしに潤いを与える生活道具として、今日性を持つことにより、新たな伝統は築かれます。

鋳心ノ工房は日本文化をシードとした鋳造品を中心にユニバーサルなデザインを制作する創造的工房です。

鋳心ノ工房より

豊富なラインナップが魅力的です。どれにしようか悩んでしまいます…………….!家族人数や生活スタイルに合わせてチョイスするのも勿論良いですし、直感で選んでしまってもいいですね☺️

まるで水面のような、京都の庭園のような、静かな佇まいがとても美くしい………。無駄のない計算されたフォルムが造形美を魅せてくれます

木の取っ手がモダンな雰囲気で、鋳物のどっしりとした重厚感を優しい印象にしてくれています。

丸っこいフォルムが愛らしく、木製の蓋でよりほっこり感が出ていますね!

カラー展開も素敵。小さいのでちょっとしたテーブルコーディネートのアクセントになってくれます。

IHでも勿論使用できちゃいます!

3色とも素敵な色味ですね………….!悩みます…………!

波佐見焼の陶器蓋と組み合わせたシリーズも可愛らしいんです!

可愛すぎます…………….!詩季織々で絵柄を変えたくなりますね!

真鍮の装飾がゴージャスで美しい紋型の急須。使い込むごとに味が出そうな佇まい。素敵……….🤤!

こんな風に薪ストーブの上で温めるのも風情があって良いですね!憧れます・:*+.

鋳物に欠かせないのが鍋敷き。鋳心ノ工房では素敵な鍋敷きも販売しており、こちらも高い人気を誇っています。

丸ストーブの上で温める際も鉄製の鍋敷きは重宝しますね!

箸置きも人気のシリーズ。ギフトにもぴったりです。

ミニチュア急須のキュートな箸置き。

眠り猫ちゃんの箸置きも可愛い…………!

こちらはかっこいい鳥のオブジェ(他のカラーも素敵でした)。シンプルな棚の上ディスプレイなどに。

モダンな雰囲気の風鈴。シンプルなフォルムと鋳物独特の色味が素敵です!

菊池保寿堂

菊地保寿堂は、慶長9年(1604)に山形城主・最上義光(もがみよしあき)公の御用鋳物師として当家初代の喜平治が擁護されたことに始まります。初代~9代・喜平治、10代~12代・卯之助、13代~14代・熊治正直、そして現在15代正直へと受け継がれてきています。米国万国博覧会グランプリ賞受賞(1926)、日本伝統工芸展最高賞受賞2回、日本芸術文化財団褒賞受賞等々の数多くの褒賞を戴いております。また、日本古来よりの鉄材・砂鉄を用いて造られる和銑(わずく)釜の制作技術は、姻戚・長野家(現在2代目長野垤志)と共に技術復興し現在もその技術を頑に守り続けております。伝統と創造の現代ブランド「WAZUQU」は、欧米において高い支持と評価をいただいております。

菊池保寿堂より

光る職人技✨

計算・洗練されたフォルムと流線美がオブジェとしても素敵な急須。

美しきかな……………….。

縦に長くころんとした形が可愛らしいです……..!

ビビットなオレンジから元気をもらえますね!意外と派手すぎず、黒い湯のみとの組み合わせが素敵ですね*:.。.

ターコイズなブルーとゴールドの組み合わせがリッチ˚✧₊⁎。洋にも和にも絶妙に溶け込んでくれるデザインですね!

ビビットな黄色が部屋を一層明るく見せてくれますね🌞

青で統一された組み合わせが美しい……..!どこかヨーロピアンな雰囲気も感じます。他にも素敵なカラーラインナップがありましたので是非チェックしてみてください☺️!

素敵な食卓……….🤤 落ち着いた青、白、黒がとってもおしゃれですね!

四角いフォルムがこれまたキュートなWAZUQUシリーズ。

灯籠のようなウォーマーとアースカラーなブラウンの急須が素敵……..!(カラーコーディネートが絶妙!)

赤も和を感じさせる朱色で、優美な雰囲気が漂います。

コーヒーをドリップして。より美味しいコーヒーをいただくことができます🤤

冷茶や冷酒など冷たい飲み物の容器としてもぴったりです!

 なるほど、ウォーマーにお気に入りのお皿を使っても素敵ですね!

スノーホワイト。石のような艶やかな鋳肌がなんとも美しいです・:*+.

マリメッコなテキスタイルと合わせて!

ビビットな黄色が部屋を一際明るく見せてくれますね。

欧州でも市場拡大中です☺️!こちらはスイスのお茶屋さんにて。

鋳物とは思えない薄さに驚くリーフ型の茶托。まさに至高の職人技………….!色味も素敵です。ティータイムがパッと華やぎますね!

なんとG-SHOCKとのコラボも果たしているんです!職人同士のコラボレーション、素晴らしいですね☺️!

雅山(GASEN)

1902年から続く 山形鋳物の 小さな工房です。 当工房 雅山は 四方を山に囲まれた 山形にあります。 山々には神社も多く 厳しい自然に耐えられる 丈夫な銅の燈篭づくりが 工房のルーツとなりました。 私たち 雅山が 大切にしているのは 長く使える 暮らを華やかにする 時間が経つにつれ 美しさが際立つ 雅山のものづくり。 そんな思いを みなさんの暮らしに お届けします。 山の地生まれの色彩美

雅山より

鋳物ならではの重厚さを活かした荘厳な作品。取っ手の形まで美しい……….!

人気の「しずく」。雫の形がシンプルながら計算し尽くされた美しいフォルム。モダンな印象を受けます。

ゴールドの蓋もお互いを引き立て合っています………..!

滑らかな流線美を感じるスキレットも素敵です・:*+.

HPもとても洗練されていて、こだわりを感じますので是非アクセスしてみてください!また、鉄だけでなく青銅や、

紫銅などの鋳物も美しいグラデーションを成しており、ずっと眺めていたくなるような作品です。吸い込まれます………..。

こちらは雅山と家庭画報とのコラボレーションにより生まれた鉄鍋。上記で紹介したスキレットに似た美しいフォルムが特徴的です。

美味しいご飯やカレー、シチューが作れること間違いなしです…………🤤!

終わりに

いかがだったでしょうか?

古くは400年以上前から脈々と受け継がれて現代まで続いてきた山形の鋳造技術。

それぞれの工房で生み出される作品は各々に独特の美しさを持ち、

その重厚感あふれる佇まいに加えて

使う人やシーンによって雰囲気を柔軟に変えてしまうような、静かな優しさも秘めていました。

そして見た目の美しさもさることながら、お茶の美味しさを引き出す抜群の保温性という機能性もしっかりと持ち合わせています。

素敵な食卓になるのはもちろんのこと、日常のお手入れも楽しいものになりそうです。

実際に山形を訪れて、自分の目で、手で触れて感じてみたいなと思いました。

今回ご紹介させて頂いたのは、山形鋳物のほんの一部。

皆さんも是非、チェックしてみてください☺️!

次回「羽越しな布と月山和紙編」もお楽しみに。

※今回ご紹介した「山形鋳物」など数々の素敵な東北の伝統工芸を販売している「東北スタンダードマーケット」も是非のぞいてみてください!

それではまた。

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