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一生使える!丈夫でおしゃれな調理器具5選【日本の伝統工芸】

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日本伝統文化

こんにちは。

日本では今や百円ショップを始め海外製の安い輸入品あるいはプラスチックでできた調理器具で溢れていますよね。ですがそういった類の商品は消耗が早く、物を大切にする、もったいない、という日本人の精神にもそぐわないものだと思います。今回は古くから伝承されてきた日本の伝統工芸品でもある調理器具五つ紹介したいと思います。美しく、お洒落でかつお手入れすれば半永久的に使える素敵なものばかりです!

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❶ 大矢製作所の銅製おろし金

昭和24年から続き、「銅製おろし金の製造・販売」を行う「大矢製作所」の銅おろし金「薬味用」です。プロの料理家からも絶大な人気を誇ります。銅製のおろし金の歴史は古く、「和漢三才図会」という江戸時代の百科事典にも描かれています。何度も叩いて締めた硬い銅の板に、たがね と金槌を使い、職人が手作業でひと目ずつ丁寧に刃を立てていきます。この古くから継承されてきた製法にこそ、プロの料理人にも選ばれ続ける理由があると言えます。また、銅は抗菌作用あありますから、調理器具には最適な素材です。以下に銅製おろし金の特徴を3つ挙げます。

その1. 風味が引き立つ
職人が立てた刃は、とても鋭いため、大根の細胞が潰れず、水と繊維が分離しません。従って水気をたっぷりと含んだふんわり食感の大根おろしになります。
繊維を潰さず、細かくするため、風味が大切な、わさびやしょうがなどの薬味にも同様のことが言えます。

その2. 軽くおろせる
おろし金の刃は一見ときれいに揃っているように見えますが、実は間隔や高さが微妙に不揃いになっています。そのため、さまざな面に対応できるので食材の向きを変えずに同じ面を軽やかにおろしていくことができます。

その3. 目立て直しができる
耐久性に優れていますが、長年使用していると刃先が磨耗し、切れ味も悪くなってきます。その場合は職人の手でもう一度刃を蘇させることができます(有料)。

おろしやすい、手のひらサイズのおろし金です。美術品のように美しいですよね。亀と鶴の顔(持ち手)の部分だけメッキ加工が施されていないのとてもお洒落で、銅の美しさがより一層際立ちます。鶴と亀、つまり縁起物をモチーフにしていますから、贈り物にもぴったりです。なんでも「消化の良い大根は、お腹にあたらない「」といわれ、おろし金は「難にあたらない」という意味を込めた縁起物とされているのだそう。

青の食器に映えますね。亀が泳いでいるかのようです(笑)尻尾の部分が掛けられるように加工されているのも職人さんの細かい気遣いが伺えます。おろしたらそのままおろし金に乗っけて出しても様になります。

ふんわりとおろされた生姜。プラスチックのおろし器だといつも生姜の汁がダラダラとこぼれてしまうのですが、つまりは細胞が潰されていたのですね!おそるべし。薬味をいっぱいかけたいけど、すりおろすのが大変で少量になってしまう我が家。銅製おろし金にチェンジしたいと思います。

一つ一つの刃を職人さんが丁寧に掘り起こしている様子。均等に打ち付けていくさまはまさに職人技です。

大矢製作所では他にも羽子板型(これがメインでサイズも豊富)や箱型なども製造、販売されているのでぜひチェックしてみてください!

❷ 中村銅製作所の卵焼き鍋

続いても抗菌作用の他、熱伝導製、保温性に優れる銅製の調理器具です。

こちらの銅製玉子焼鍋は、東京の下町足立区で4代にわたってお鍋やフライパンを作られている「中村銅器製作所」の看板商品です。全国の一流料亭や寿司職人などプロたちが愛用しています。厚めの銅素材により、焼きムラや焦げ付きが少なくなり、余熱で調理できるため、玉子はふんわり、肉はジューシーに仕上がります。テフロン加工やステンレス、鉄とは全く異なる仕上がりです。また、中村銅製作所ではメッキ加工ではなく、鈴を焼き付けていることも特徴です。

銅の独特の輝きがとても美しいです。

ふんわりとした卵焼き。

仕上がりの差は歴然です。なるほど、私の作る卵焼きが固くてどんなに弱火でやっても表面に焼き色がしっかりついてしまうのはこのせいか(腕のせいもある)!実感しました(笑)銅製の鍋で作った卵焼きはとってもふんわりしていますよね。

オレンジの光を浴びると、温かな輝きを放つ銅製品たち。

94歳、現役料理研究家の桧山タミさんのキッチンにも銅なべがずらり。綺麗ですね、さりげない青のアクセントカラーが銅の色に映えます。始めは火加減など、慣れるまで勉強が必要ですが慣れてしまえば一生愛用できる料理のお供になってくれます。

アンティークの銅なべも人気があります。歳を重ねるごとに、味わいのある雰囲気になっていく、素敵なお鍋です。

❸ 宮島工芸製作所の杓子・へら

広島県廿日市市の宮島町にある「宮島工芸製作所」は、長い間培ってきた木工技術・思考を生かし、使用用途に合った木を使い、使いやすさを追求し続けており、しゃもじを始め、調理用のへらやおたまなどを製造、販売しています。「宮島杓子」という名はよく耳にするともいますが、宮島杓子が名産になった始まりは、寛政の頃(1800年頃)に遡ります。神泉寺の僧、誓真という人が、ある夜、弁財天の夢を見ました。その夢で弁財天が持っていた琵琶の美しい形にヒントを得て、主な産業がなかった宮島の人々のために杓子を考案。御山の神木を使って杓子を作ることを提案しました。以来、神木の杓子でご飯をいただけば福運を招く、さらには「敵を召し取る(飯とる)」という戦勝祈願の意味も加わり縁起物として名を馳せたのでした。

木の肌感がとても滑らかで美しいです。桜の木目が安らぎを与えてくれます。

用途に合わせて設計されたヘラは見た目の美しさもさることながら、とても使いやすいです。

木のぬくもりって、食事をより美味しく見せてくれますよね。

同じ素材でも木目も様々なので、一つ一つ違った味わいを楽しむことができます。使い込むほどに手に馴染んでくるのも天然素材の良い点です。

❹ ambaiの落し蓋

続いても木製のキッチンツールです。

デザイナーの小泉誠さんがプロデュースする日本の暮らしの道具のブランド、「ambai(アンバイ)」の落し蓋です。落とし蓋をすることで美味しい煮物ができる理由は、「沸騰した煮汁に対流が生まれ、均等に味が行き渡るから」です。また、食材が動くのを抑え、煮崩れも少なくしてくれます。ambaiの落し蓋は、蓋の縁を斜めにカットして出し入れしやすくしたり、菜箸で鍋から掬い上げられるように穴を空けたりと、スタンダードな形に使いやすさを加えた繊細な作りになっています。使う前には、一旦水にくぐらせて湿らせると、においや色移りを防ぐことができます。特に使い始めは、さわらの爽やかな香りがします。

穴から蒸気も逃がせます。おばあちゃんの作る煮物が美味しい理由には落し蓋も入っていたのかな?

そして吊り下げることもできます。水とたわしで洗ったら、吊るして乾かすことができます。おばあちゃんの台所を思い出します。

菜箸でひょいっと持ち上げれば蒸気で火傷することもありません。穴一つでこんなにも違うとは!

サイズ展開も様々なので、お鍋にあったものを選びましょう。

ambaiでは他にも「スタンダードプラスα」な素敵なキッチンツールを販売していますので、チェックしてみてください。

❺ bestpotの無水鍋

最後にご紹介するのは、三重県四日市市の特産品である「萬古焼」と鉄の鋳物。その2つの異素材をかけ合わせてつくった無水鍋「ベストポット」です。無水鍋といえばフランス製のル・クルーゼが有名ですが、日本の伝統工芸を発揮した素敵なものもあるんです。

ベストポットは「Molatuta(モラトゥータ)」が手がける無水鍋です。その源流は、四日市市の1914年(大正3年)創業の「中村製作所」にあり、「空気以外はなんでも削ります」という想いのもと、様々な分野の部品加工を担ってきました。その高度な技術から、航空宇宙産業の部品加工にも携わっています。「ベストポット」にはその技術がたっぷりと注ぎ込まれています。本体に使われている四日市特産の伝統工芸、萬古焼は遠赤外線効果があり、食材をじっくりと芯から温める効果があります。鍋内部には鉄分を多く含む「阿蘇山の火山灰」を釉薬として使うことで遠赤外線効果をより高めています。蓋部分は鉄鋳物にホーロー加工したものを使用し、裏側の中央部分の隆起が内部の空気を対流させ、蒸気を効果的に循環してくれます。そのため、無水調理ができます。

食卓にそのまま置いても美しいデザイン。洗練されたフォルムもさることながら、カラー展開もパステルカラーが華やかで、食卓に彩りを添えてくれます。

均一に熱を伝えられるように羽釜形状の釜にした他、熱が対流するように2層構造になっています。

ご飯もふっくら炊き上げ、旨みを引き出してくれるそうです。

余熱効果があるので煮物も美味しくできます。とってもおしゃれな食卓ですね。テーブルコーディネートが楽しくなりそう。

デザート作りもできちゃいます。IH対応版もあるので、一つ持っておくだけでとっても便利です。公式ホームページには素敵なレシピが他にも掲載されていましたのでぜひチェックしてみてくださいね!

終わりに

いかがだったでしょうか?

古くから伝わる伝統工芸を生かした製品には職人さんたちの熱い思いが詰まっており、洗練された形や色合い、素材の美しさは芸術の域に達していますよね。使う道具にそんな伝統があれば、料理するときの心持ちも変わってくるように思います。

しっかりお手入れをすれば、ずっと使えるから結果的に経済的で、エコにも繋がります

お手入れを重ねて、自分だけの料理道具に育てていく。とても素敵なことですよね。

皆さんも身近なところから、伝統に触れてみませんか?

それではまた。

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