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可愛くてお洒落な「北陸雑貨」に出会ってみませんか?−日本伝統工芸を知る−【福井県編】

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日本伝統文化

こんにちは。お家にいる時間も増え、それとともに食器をはじめとする身の回りの雑貨と触れ合う機会が増えたのではないでしょうか?

雑貨といえば、「北欧雑貨」は日本でも大人気ですよね。マリメッコをはじめとする北欧雑貨、私も大好きですが、日本にも沢山の伝統工芸品を継承した、おしゃれで可愛らしい雑貨が沢山あります。私自身も日本伝統文化を知り、触れてみたい、そしてみなさんと共有したいという気持ちから、今回は石川、富山、福井を中心とした北陸の雑貨、「北陸雑貨」に注目し、美しく、可愛い作品をまとめてみました。ラスト、第三弾は福井県編です!(第一弾石川県編はこちら、第二弾富山県編はこちら

どうぞお楽しみください!

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福井県編

福井県は本州日本海沿岸部の中央付近に位置し、森林面積が75%にも及びます。北から順に「福井、坂井」「奥越前」「丹南」「嶺南」の4つのエリアがあり、嶺南エリア以外をまとめて嶺北エリア(越前)と呼び、それぞれ異なった地形的特徴を示します。

日本海に面したリアス式海外(若狭湾)をはじめとする清らかな河川の流れや越前の豊かな山々といった自然に恵まれた福井県は全国幸福度ランキングの一位に輝いたこともあり、「越山若水(えつざんじゃくすい)」という言葉が昔から言われてきました。

そんな豊富な資源に恵まれた福井県では水産加工品や木材加工品といった地場産業が盛んです。また、経済産業大臣指定の伝統的工芸品として、「越前漆器」「越前和紙」「若狭めのう細工」「若狭塗」「越前打刃物」「越前焼」および「越前箪笥」の7品目があります。
 

越前漆器

越前漆器」は福井県鯖江市周辺で作られており、「ものづくりの街」と呼ばれている鯖江市のある越前地方では、漆が生活の中に息づいてきました。
越前漆器の特徴は、ハレの日にぴったりの落ち着いた光沢や上品な華やかさです。 ー                                                                       越前漆器の歴史はおよそ1500年前の古墳時代末期にまで遡ります。まだ皇子であった第26代継体天皇が河和田に来られた折に、現在の鯖江市賀田山町の塗り師に壊れた冠の修理を命じました。塗り師は修理した冠と共に黒塗り椀を皇子に献上し、その出来栄えに感動された皇子は片山集落を漆器の産地として奨励したと言われています。 米が年貢として納められていた時代にも越前においては漆を納めることが認められていました。漆掻き職人の技術の高さは徳川幕府にも高く評価されていたほどです。 そして仏事が盛んであった風土から越前は国内一の漆器産地となっていきます。
                                                                        日本人の生活の変遷に合わせたニーズに応えながら、越前漆器は多彩な漆器を生産してきました。現在では、国内の外食産業用、業務用の漆器の8割以上を生産し、漆産業の先端を担っています(参考サイトはこちら)。

「中川政七商店」は「日本の工芸を元気にする」をコンセプトに全国のおしゃれで実用的な伝統工芸品を集めて販売する会社で、小売業の他にもコンサルティングや教育事業などを展開しています。東京などで実店舗を訪れたことのある方も多いかと思います。

こちらは鯖江市河和田地区で8代・200年に渡り、漆塗りを継承してきた漆琳堂によるブランド「aisomo cosomo」の越前漆器です。漆器ならではの光沢感もさることながら、独特のこっくりとした可愛らしい色展開がおしゃれですよね!

「高台」」と「親」の部分の色が分かれているのが遊び心を感じます。食卓がぱーっと華やぎます。若い人にも漆器の魅力が伝わる作品ですね。漆器をより身近なものに感じさせてくれます。

続いては「漆器久太郎」オリジナルアイテム、青い木製食器「KyutarouBlue」シリーズの作品です。こだわり抜かれた究極のブルー。木目の美しさと木の温もり、鮮やかな青色と木肌の色の対照が洗練されています。

「KyutaroBlue」シリーズには「食器に青は合わない」という定説を変えたいという思いも込められているそうです。上記の写真を見れば明らかで、食材をより美しく見せてくれています。食器にあった食事を考える、というのも素敵ですよね!いきいきとした青が、気分まで晴れやかにしてくれる作品です。

越前焼

越前焼」は、福井県越前町で作られている陶磁器です。今からおよそ850年前の平安時代から始まる日本六古窯の一つに数えられています。
越前焼の特徴は、釉薬(ゆうやく)を使わずに焼かれていることです。また、高温で焼かれる際に薪の灰がかかり、溶けて器に流れ込む自然釉も魅力の一つで「焼締め」や「半磁器」とも呼ばれます(陶器と磁器の中間を表す)。絵付けされないことも多いため、素朴な風合いを楽しむことができます(現在は新しい技法も生み出されています)。
越前焼は水を通さず丈夫なため、壺や甕、酒器や茶器などの台所用品を中心に日用品が多く生産されてきました。室町時代後期になると、北前船によって、北は北海道から南は鳥取県まで輸送され、越前焼は全国に普及し、発展しました。しかし明治維新による近代化により衰退の一途を辿ることになります。ようやく第2次世界大戦後に古窯跡調査が行なわれたことをきっかけに、その歴史的価値が見直され、1970年に越前陶芸村が建設されると窯元が増え、大勢の観光客が訪れることで復興を果たしました(参考サイトはこちら)。

「ムーミン×越前焼」可愛すぎます!こちらはムーミン展用に製作され、残念なあら現在は販売されていないようです。越前焼の素朴さと、ムーミンのキャラクターが見事に合っています。空を見上げる越前ムーミンさん…日本の伝統とムーミンの運命的な出会い…クゥ、堪りませんね!!!ぜひもう一度生産して欲しいです!

風来窯(越前焼工業組合:ホームページ)

「風来窯」は越前焼作家の大家宇一朗さんが平成26年に受け継いだ窯工房です。大家さんは「越前で作って、越前ならではの雰囲気を持ちつつ、毎日の生活の中で使って楽しく、ほっとするものができるようにと思っています。」と語られています。穴窯で焼いた古越前を彷佛させる器や粉引き(白化粧)の器、鳥や動物、物語の世界を形作った作品などを生み出しています。

優しく、柔らかい風合いの白色がなんとも美しいです。キリンやシマウマの花瓶もどんな花でも、木や草でも可愛らしくしてしまうような、温かみを持っています。自由な発想が生まれそうな、持つ人のクリエイティブ心を引き出してくれる作品で溢れています。

越前焼独特の表情が素朴で美しい焼き物たち。暮らしの中で静かに見守ってくれるような優しさがあります。シロクマさんもまるで生きているかのような肌感。ずっと眺めていたいです。

タナカマナブ

タナカマナブ
1973年、福井県坂井市三国町生まれ。1995年福井大学工学部卒業後、1999年陶彩窯 大森正人氏に師事。2004年に独立し、以後個展などを中心に活動中。道具としてあたりまえに使えるものをしっかり作り、なにげなくいつも使ってしまう、相棒のようなものをつくりたいという思いで、生まれ育った三国で作陶している。

ataW HPより

坂井市で活動するタナカマナブさんの生み出す作品は彫刻刀で削り出す独特の模様、フォルム、カラーが特徴的です。デザインはもちろんのこと実用性も兼ね備えており、日本を感じさせる繊細さの中にどこか北欧の雰囲気も持ち合わせています。

こちらはマグカップ。彫刻で削られた模様が編み込まれたニットのようなほっこりとした印象を与えます。マグカップのような口に直接触れる食器は、その厚みや質感で飲み物の印象をガラッと変えますよね。例えば水は薄いガラスのコップで飲むのと、厚みのあるマグカップで飲むのとでは美味しさも変わるように感じます。私はこちらの作品を見て熱々の紅茶やコーヒー、ホットミルクを飲みたくなりました。皆さんはどんな飲み物を想像しますか?

続いてご紹介するのはタナカ作品の中でも人気シリーズの六寸鉢です。タナカ作品を象徴する「矢羽根」柄が美しいです。越前の粗い粘土には、鉄分や細かい石などが含まれており、独特の味わいが出るそうですが、こちらの作品は特にそのことを想わせます。緑の風合いが優しく、食材を引き立ててくれますね! 

こちらも矢羽根模様が下部にさりげなく刻まれたマグカップ。口が広く、高さが低めなのでスープにもぴったり。釉薬の垂れ具合がなんとも味わい深いです。写真ではなく実際に見て、触ってみたいですね!

大家宇一朗さんとタナカマナブ さんが二人展を行った時のポスターです。陶器とは思えない、香水瓶を思わせるような器。銅器のような輝きがあり、異国の雰囲気を持ちながらも日本を想わせる、美しく、不思議な感覚になる作品です。愛らしいシマウマと北斗七星が描かれた遊び心のあるカップソーサー。ワクワクするトキメキをくれる作品たち。素敵すぎます!!!

花虎窯

「花虎窯」は越前焼作家の武曽健一さんが営む窯工房です。3年間、越前焼窯元で活動した後2012年に独立されています。一つ一つ、手作りの印を用いて模様をつけられた「印花(いんか)」シリーズの器が象徴的です。武曽さんは越前「赤土」にこだわり、作陶されています。越前赤土から生み出されるマットな質感に、優しい色味。作り手のやさしさが伝わってくる化のような可愛らしい器たちをちょこっとご紹介します。

一つ一つ丁寧に型押しされてつくられたカップたち。独特の風合いがあるカラーがとっても素敵ですよね!越前焼ならではの素朴な質感が生活にそっと彩りを添えてくれ流ようです。

こちらの和食器を専門に扱うオンラインショップ「flatto」では武曽さんの作品を数多く販売しているのでぜひ訪れてみてください!明るい黄色がなんとも可愛らしいです。どんな料理を盛り付けようか、ワクワクしちゃいますね!白化粧の器も鉄の黒点がアクセントになっており、温かみもありつつ、クールな雰囲気も感じます。見る人やテーブルコーディネートによって自在に変化してくれる、最高の器です。

こちらは繊細な花模様が美しいお皿たち。ちょっとヨーロピアンなアンティーク調です。ブルーがなんとも美しい。うーん、チョコブラウニーをのせようかな…,いつもパクパクと早食いしてしまう私ですが、こんなお皿があれば絵柄や質感を鑑賞しながらゆっくりとした時間を過ごせそうです(笑)

どの越前焼作家さんの作品も、忙しなくすぎる日々にゆったりとしたくつろぎを与えてくれるような美しい器でした。実際に手にとって、お花や料理を飾りつけてみたくなりました。

鯖江眼鏡

鯖江眼鏡」は明治38年に創始者と呼ばれる増永五左衛門が農閑期の副業として、少ない初期投資で現金収入が得られる眼鏡枠作りに目をつけ、当時眼鏡作りが盛んであった大阪や東京から職人を招き、製造技術を伝えたことが始まりされています。当初は、「帳場(ちょうば)」とよばれる各職人グループごとに眼鏡が作られており、帳場同士が競うことで技術が向上し、現在のような一大産地が形成されたのです。                                         さらに戦後の高度経済成長の中で眼鏡の需要も急増し、産地として大きく成長しました。機械の近代化により生産効率などの研究がなされ、その結果昭和50年に世界初のチタン製の眼鏡を開発しました。チタンは金属アレルギーを起こしにくい素材として世界に広まることとなりました。      現在では「福井市」や「鯖江市」を中心に日本製眼鏡フレームの約95%を生産し世界最高水準の眼鏡を日本、世界へ届けています。
また、近年では培われてきたチタン加工の技術を医療や電子機器などに生かし、各方面へその技術の高さが伝承されています(参考サイトはこちら)。

今回は鯖江眼鏡から生まれた素敵な商品たちをご紹介します!

コトモノミチat Tokyo

コトモノミチat Tokyo」は「日本各地の500以上の工場や職人と体験、交流、 モノづくりができるショップ」をコンセプトに掲げている実店舗を墨田区に構えるお店です。今回ご紹介するのは、眼鏡の素材から生まれる「sabaeシリーズ」です。


板状になったメガネの素材をミルフィーユ状に重ね、ドリルを使った緻密な切削技術で動物の形状に切り出しています。メガネの素材である「セルロースアセテート」の板材をミルフィーユ状に重ねたものを、緻密な切削技術で動物の形状に切り出しています。タリアのマツケリ社で製造された眼鏡の素材「セルロースアセテート」は弾力性・吸湿性をもち、人体との親和性が高い素材特性のため、つけ心地だけではなく、アレルギーが少なく肌に優しい素材です。切り出す素材により表情もそれぞれ異なり、モチーフになっているライオン・パンダ・オオカミの3種類は、絶滅危惧種に指定されている動物です。後にご紹介するブランド「KISSO」が製作しています。

まるでグラフィックデザインのようなユニークなブローチです。男性がつけていてもかっこいいですね!化学物質とは思えない掘り出されたような美しさがあります。

続いて、数字をモチーフにしたブレスレット「Numerus」(現在は取り扱っていないようです、こちらのサイトでは販売されていました)

「数字を選ぶこと」で語呂合わせや記念日等々、様々な想いを込めることが可能なギフトにも最適なアイテムだそうです。重ね付けしやすいよう、極力細く繊細に仕上げられています。カジュアルはもちろん、フォーマルでも使用できる上品なデザインです。

ユニセックスなデザインなのでカップルや夫婦、友達同士で付けても可愛いですよね。丸みのあるフォントデザインも上品です。細身なのでさりげないオシャレを演出してくれます。

続いて、「Sabae mimikaki」です。眼鏡がモチーフになっていて可愛らしいです。イタリアで生まれた素材ということもあり、どこかイタリアを感じさせるおしゃれで陽気な色合いです。先端部分にはそれぞれの色合いにあった色の違うβチタンが使われており、細部までこだわり抜かれています。デザイン性だけではなく耳掃除しやすいような設計になっているのもポイントです。

KISSO(キッソオ)

1995年 株式会社キッソオは、メガネの街福井県鯖江市でメガネの材料商社として生まれました。
キッソオの創業者、吉川松郎はメガネの街鯖江でも職人が集まる河和田地区で生まれ育ちました。
当時加工が難しいとされたチタンを使った眼鏡が鯖江で本格的に製造されるのを見越し、いち早く材料供給体制を整え
最先端の眼鏡加工機械をイタリア、フランス、ドイツから鯖江に提供させて頂きました。
メガネと共存してきたメガネの対する深い想いから
最近では微力ながらメガネの伝統技術を継承すべく
メガネからカタチを変えたモノづくりにも尽力しております。

株式会社キッソオHPより

上記で紹介した鯖江眼鏡の技術を用いた商品は全て「KISSO」から生み出されています。そんなKISSOの素敵なアクセサリーをご覧ください。

http://kisso.co.jp

こちらはピアス。シルバーと透明感あふれる素材のきらめきが美しいですね。春から夏にかけてつければ爽やかな気分になりそうです。

お次もピアスです。水晶のような美しさがあります。光にかざして中を覗きたくなります。キャッチの形も可愛い。ちょっとおめかしをするとき、特別な時に身に付けたくなりますね。

最後はリングです。すりガラスのように綺麗です。手元を美しく見せてくれるデザイン。

KISSOの商品は素材から掘り出しているので、一点一点が異なります。つまりは一点物と言っても過言ではありません。それだけでワクワクしてしまいますよね。他にも素敵な商品がたくさんありますのでぜひ訪れてみてください。

Sur(サー)

 
Sur(サー)は眼鏡の素材に新たな価値を見出したアクセサリーブランド。
端材活用をきっかけとし、福井県鯖江市の眼鏡工場で作られています。
肌になじむ透明感とシンプルなデザインで、眼鏡のように毎日身に付けたくなることをコンセプトに制作。
surplus(余剰)から由来するブランド名は、アクセサリーの生まれたきっかけと垣根を超えるという思いが込められています。
根付く技術と素材から広がる可能性をお楽しみください。

Sur HPより

繊細で美しいSurのアクセサリーをご覧ください。

コットンパールとセルロースアセテートが融合したピアス。日常使いにぴったりです。アセテートの掘り出した形がなんとも言えない可愛さですよね。それぞれにそれぞれの良さがあるので、全部欲しくなってしまいます。

クゥ……可愛すぎます。

こちらはチタン素材と合わせた作品。有機物であるアセテートと無機物であるチタンを掛け合わせることで独特な表情を生み出しています。形からも同じことが言えますよね。綺麗です….全部欲しい!!!

高分子素材ってペットボトルやビニール袋を始め身の回りにたくさんあふれていますが、こんな素敵なアクセサリーが生み出されていたなんて知りませんでした。自然素材だけを讃えるのではなく、近代文化から生み出された技術も、新しい伝統として大切にしていきたいなと思いました。

素敵な商品が他にも揃っていますので、ぜひ訪れてみてください。

越前和紙

富山県にも伝わる「越前和紙」は、福井県越前地方の岡太川流域で作られている和紙です。和紙の主な原料は、植物の表皮である三種類(楮:こうぞ、三椏:みつまた、雁皮:がんぴ)の繊維を使い、それぞれ異なる性質を持ち、用途も使い分けられています。
越前和紙の特徴は、きなり色の優雅な美しさと、高い品質にあり、公家、武家、神社の公用紙として使用される奉書紙で、のし紙や免状用紙に用いられています。    ー                                                                       越前和紙は日本に紙が渡来した4~5世紀頃には既に作られていたとされ、越前和紙の名称が見られる最も古い文献は、正倉院貯蔵の古文書です。
写経用紙として使われていましたが、公家武士階級が紙を消費し始めると幕府や領主の保護を受けて発展します。越前奉書などの品質の高い和紙の産地として紙漉き技術を発展させていきました。その結果、現在の紙幣にあたる福井藩札の生産を果たしたのです。
明治時代には太政官金札用紙が漉かれ、印刷局紙幣寮が設置されています。現代では、小さな名刺、ハガキなどの日常使いのものから、越前奉書紙など伝統と格式の高い紙まで幅広く作られています(参考サイトはこちら)。

ご紹介するのは「ataW」で販売されている越前和紙の一種である「やなせ和紙」を用いた商品です。

ataW(アタウ)は株式会社セキサカ(旧関坂漆器)が運営するセレクトショップ。福井県の鯖江市と越前市の市境で、近年鯖江市周辺の 漆器や眼鏡、和紙といったモノづくりに注目した若者が移住し活動してるエリアでもあり、県内外から注目を集める「河和田」地区の玄関口に位置します。ショップ名の「 ataW」は以前の店名「 与十郎 」の「与」を訓読みした「 与う(あたう)」から取っており、新たな「気付き」「視点」「変化」を得るための「切っ掛け」を「与える」という思いを込めました。また、「内」と「外」をつなぐ地域にとっての窓(window)のような存在でありたい思いからataWの末字を「u」ではなく大文字の「W」にしています。

ataW HPより

こちらは小箱”moln(モルン)”。molnとは、スウェーデン語で『雲』を意味するのだそう。一点一点丁寧に漉いた生の和紙を木型に貼付けて成形し、ハリのある小箱に仕上げられています。和紙でフチを綺麗に成形するのは非常に難しく、やなせ和紙さんならではの製法で作られています。和紙ならではの風合いがその名の通り雲のような優しさを持っています。蛍光色のゴムがモダンな印象を与えます。小箱だけでももちろんのこと、中にプレゼントを入れて贈り物にしても素敵ですよね。

こちらは小箱”cobble(コブル)”。cobbleとは、スウェーデン語で『石』を意味するのだそう。その名の通り石のようなナチュラルな雰囲気があります。何を収納しようかワクワクします。写真のように積み上げて飾っておけば、魅せる収納にもなります。職人さんが生み出創造的な小箱です。

長田製作所

田製紙所は1909年創業の紙漉き工場です。
越前和紙の地で、手漉きの襖紙の老舗として、様々なデザインの襖を手がけてきました。
現在では、襖の柄付けの技術「飛龍」を応用し、インテリア和紙の制作も行っています。

株式会社長田製作所HP より

越前和紙の丈夫な性質を活かしてつくられた長田製作所の作品をご覧ください。

こちらはサコッシュ、トートパック、ポーチです。一見すると帆布かと思いますよね!絵柄と和紙の風合いがマッチしていてとてもオシャレです。カジュアルなファッションにぴったりなアイテムです。和紙で作られている分、軽いのも最高です。

こちらは揉み和紙から作られたピアス。独特の風合いと厚みのある和紙が革のような高級感を演出しています。

一つ一つ職人さんの手で丁寧に作られているので、オンリーワンを探すことができるのも醍醐味です。紙漉きの工程から考えると気の遠くなるような手間暇がかけられています。そんな伝統ある越前和紙を見身につければ、身が引き締まるような気持ちになりそうです。

越前箪笥(えちぜんたんす)

越前箪笥」は越前市や鯖江市周辺で作られる、ケヤキやキリなどの材木を鉄製金具や漆塗りで装飾している箪笥です。耐久性や湿気に強いケヤキやキリを主に使用します。越前箪笥は木材を自然乾燥させ、釘などを使わず、強度を高める指物技法で作られます。3種類の漆が使い分けられ、素朴な味わいのある「拭き漆」、天然の木目を活かす透明の漆を塗る「春慶塗」、深い黒色の漆を塗る「呂色塗り」があります。
越前箪笥の特徴は使い込むほどに味わい深い風合いとどっしりとした重厚感があることです。箪笥の角を保護するために付けられた金具は、魔除けとして猪目(いのめ)と呼ばれるハート型の金具になっており、そのユニークさも越前箪笥の魅力となっています。 ー                                                                       現在の福井県から山形県の一部にまたがる地域に、7世紀頃に「越国(こしのくに)」と呼ばれる地域がありました。現在の越前市のあたりは国府(こくふ:その地域の政治的中心地)であったため、さまざまな文化や技術が集まりました。
室町・戦国時代には朝倉家の府中奉行所が置かれ、朝倉家の茶道具を作ることで指物文化が花開いていきました。
江戸時代には藩主となった本田富正公が町の整備を進め様々な技術者を集めたため、指物・漆・金具が特徴である越前箪笥が栄える下地が出来たのです。明治中期頃には本格的な箪笥職人が活躍し、今も越前市にはタンス町通りがあり、建具商や家具屋が建ち並びます(参考サイトはこちら)。

Kicoru(キコル)

“木にこだわる” “kicoru”は、創業百年『小柳タンス店』の四代目であり箪笥職人でもある小柳範和が代表を務める『箪笥職人のセレクトショップ&アトリエ』です。小柳箪笥 100年の歴史 明治40年(1907年)、様々な伝統産業が息づく福井県越前市に指物屋として創業。
その100年の伝統と技術を継承しつつ、時代箪笥、桐箪笥、オーダー家具、建具といった、時代の変遷に則したモノづくりを今もおこない続けております。

kicoru HPより

重厚なイメージのある越前箪笥の技術を、より身近に感じられるkicoruの作品たちをご紹介します。

こちらはコースターです。木の特徴を生かした和模様の緻密なデザインがとても美しいです。コースターにするのはもったいなく感じてしまいます(笑)どこか懐かしさを感じるデザインでもあります。

こちらは、スピーカー!とっても素敵ですよね!!越前箪笥の魅力がミニマムな形で表現されています。どんな音になるか聞いてみたいです。

越前打刃物(えちぜんうちはもの)

越前打刃物」は、福井県越前市で作られている金工品です。越前打刃物の特徴は、包丁の「二枚重ね」技法や、鎌などの「廻し鋼着け」技法といった独特の工法による手仕上げです。「二枚重ね」技法は厚みが倍となることから、ハンマーで叩いたときの力がよくかかり、包丁の刃が薄くのびます。また二枚重ねで温度が下がりにくく何度も熱する必要がないため、製品に板むらができにくくなります。
「廻し鋼着け」技法は薄く研ぎやすく、丈夫な鎌の刃を作ることができ、軽くて薄く、優れた切れ味が長く続く刃物を作り出しています。  ー                                                                       越前打刃物は、14世紀前半の南北朝時代初期に、京都の刀匠・千代鶴国安が刀づくりに適した土地を求めて現在の越前市に移り、刀を作るかたわら付近の農民のために鎌を作ったことが始まりとされています。江戸時代には福井藩の保護を受け、鍛冶株仲間が組織されたり、越前の鎌を愛用していた漆かき職人が漆を求めて全国を回っている際、打刃物類を売り回り、各地から鎌の注文を持ち帰ったことから、全国に販路が広がります。
明治時代になると、福井藩の保護はなくなり株仲間は解散するもの、1874年には、越前の鎌は全国の鎌生産量の3割近く、包丁は約25%を占めていました。以降、昭和時代初期にかけては、絹織物業の発達により桑切鎌や桑切包丁などの需要が高まり、比較的安定した道を歩んできました。現在越前打刃物は、昔ながらの手仕上げによる技法を守り、主に包丁、鎌、ナタなどの優れた製品を作り続けています(参考サイトはこちら)。

風味絶佳 ECHIZEN(ふうみぜっか)

四季折々の食材が料理を彩る、世界遺産にも登録されるほど豊かな日本の食文化。
その食材ひとつひとつに適応するように包丁も進化をしてきました。 
よく切れる使い勝手のいい包丁は、料理の幅を一層広げてくれます。
料理の主役はあくまで食材と料理を作る人ですが、食材の風味を損なわず盛り立てる、
そんな名脇役となる包丁であってほしいとの思いから、
この包丁を「風味絶佳 ECHIZEN (ふうみぜっか えちぜん)」と名付けました。

風味絶佳 HPより

明治の初め、越前の菜切包丁や鎌はよく切れると評判で全国に普及しました。その伝統を受け継いだ「風味絶佳 ECHIZEN」は、高級ステンレス鋼VG10を使うことで
さびにくく、切れ味が長持ちする包丁になっています。一本一本が職人の研磨によって異なる模様になります。

http://fumizekka.jp/製品/

片面16層のパイ生地のような素材を鍛えることから生まれるブレードの波模様がとても美しいです。和包丁からヒントを得たという柄の独特の形状も美しい曲線を描いていることはことはもちろんのこと、持ちやすい設計になっています。柄の色はナチュラルとグレーの二色があり、刃先は用途に応じて5種類があります。

http://fumizekka.jp/メンテナンス/

箱の中にはオシャレな日本手ぬぐいが。包丁本体だけではなく、全体のデザインが美しく完成されていますよね。 乾きやすく、通気性・吸収性に優れているため、キッチンで大活躍してくれます。 名入れを行うこともできるそうですから、プレゼントにもぴったりですね。研ぎ直しもできるそうで、自分オリジナルの包丁に育てていくことも醍醐味ではないでしょうか。砥石を買って自分でメンテナンスできるようになれば、暮らしはもっと豊かになるでしょう。

終わりに

いかがだったでしょうか?独特の恵まれた地形で生み出されてきた数々の伝統工芸。いずれの技術にも職人とその方々を支える周りの人々の努力と心が篭っていました。少し敷居の高かった伝統工芸がより、日常の暮らしに近づき、そっと彩りを添えてくれるものに昇華されています。

コロナが終息して、日本に帰ったら福井県に遊びに行って直に伝統とそれを護る人々に出会ってみたいなと思いました!

人から人、手から手へと受けつがれた伝統工芸。北陸3県(石川、富山、福井)を3弾に分けてお送りしました。

日本全国47都道府県、調査していきたいと思いますので、次回もお楽しみに。

それではまた!

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